白山・中の俣谷川(ワサ ビ谷)

2009年 8月 22日 | 奥越・奥美濃・白山, 沢登り

白山前衛の赤兎山には3回ほど登っているが、今回は赤兎山から北東に流下する中の俣谷川を遡ってみることとする。ブナの林の中を穏やかに流れている沢であるように地形図から想像できる。登山地図ではワサビ谷となっている。

【行程】行動時間 8時間15分
三ツ谷駐車地6:15→6:45林道終点→7:45右岸支流出合Co910m 8:00→右岸支流出合Co1,010m 8:40→右岸支流の滝Co1,100m 9:15→9:20溝状の廊下9:30→11:00県境縦走路(最低鞍部)→11:20赤兎避難小屋11:35→11:50赤兎山12:00→12:25小原峠12:30→13:05川上御前13:25→13:40西の俣谷川林→14:30駐車地

前夜市ノ瀬の駐車場で仮眠するが白山を目指す車でいっぱいだ。三ツ谷の林道分岐点に車を置き出発。橋から西と中の俣谷川合流点が見える。

中、西の俣谷川出合

中、西の俣谷川出合


林道終点らしき地点は藪になっており、適当なところから入渓。
ひとつ堰堤を左岸から越え、しばらく進み、右にカーブすると大き目の堰堤が現れる。右岸の斜面を高巻くが、前日の雨で非常に滑りやすい。潅木を掴みながら進むがY田さんは慎重で時間を要した。
ここからはしばらく平凡な河原が続くがちょっとした淵があり、右岸を抜ける。
ちょっとした淵

ちょっとした淵


地形図に水線のある右岸からの支流出合(標高910m)に7:45到着。赤茶けた河原を歩いていくと、ブナの木が多くなってきた。
標高1,010mで右岸支流の出合を過ぎると少し傾斜が増す。この先、期待していた滝らしい滝は現れない。9:15右岸に支流が滝となって合流する標高1,100地点につく。地形図の等高線は開いており実際と少し合わないようだ。
その後5分あまり平凡に進むと、両岸が迫って狭くなった溝状の、ちょっとしたゴルジュとなった。胸下まで水流に浸かり、1?2mの滝を2つ越える。幸い倒木が架かり、難なく越えたが、木が無ければ落ち口の丸い岩に少し難渋するかも知れない場所で、唯一の沢登りらしい場所だった。
狭くなった流れ

狭くなった流れ


唯一のゴルジュ状の箇所

唯一のゴルジュ状の箇所


小滝に取り付く

小滝に取り付く


その先は緩やかな流れとなり、のんびりと歩く。魚が泳いでいるのが時々見え、そっと眺めたりして進む。沢を下流の方に振り返ると白山本峰や釈迦岳がちょうどいい具合に見えている。
背後に白山を望む

背後に白山を望む


この辺り、秋なら紅葉が美しそうだが、まだ今は緑色一色だ。次第に両岸の薮がうるさくなってくる。
11:00に赤兎避難小屋と1,530m峰との最低鞍部の20m東側に登り着いた。
今日の稜線は涼しい秋の感じの風が吹いていて心地良い。稜線の登山道からたった今登ってきた中の俣谷川とその背後の白山連峰が見渡せて爽快だ。
登ってきた中の俣谷川と白山連峰

登ってきた中の俣谷川と白山連峰


小屋前で昼休憩後、賑わう赤兎山に登る。白山が良く見える。
下山は小原峠から越前禅定道を辿るが最近整備され、立派なハイキングコースとなって蘇っている。しっとりとした大きなブナの木の生えた森の中を行く。下から西の俣谷川の水音が絶えず聞こえてきて気持ちがいい道だ。
川上御前の広場で休憩。秋ならきっと紅葉が素晴らしい場所だと思われる。川上御前を過ぎて10分ほどで谷が大きく開けて、最近開設された林道に出た。今までの気分が全く興ざめだ。右岸の大規模な砂防工事のためのようだ。
面白くない林道を1時間ほどで元の駐車地に戻り今回の山行を終了した。
中の俣谷川は平凡で沢登りの対象にはならないが、水の流れを辿り赤兎山に登るには手頃で暑い時期にはよいだろう。