岩登り@北アルプス 屏風岩東壁 雲稜ルート

2010年 7月 30日 | 北アルプス, 無雪期岩登り

昨年行きたかったけど行けなかった憧れの屏風岩、岩登りを始めた頃から絶対行ってみたいと思っていた岩壁だった。昨年の秋頃からよく一緒にフリークライミングに行くようになったokaちと東壁の雲稜ルートの計画を立てた。okaちは09年夏に山岳会の方と行ったことがあるルートだったのに、再度私と一緒に行ってくれた。本当に本当にありがとう。計画は雲稜ルートと東稜の2本登ることにした。

7/30
21
:30出町柳→あかんだな駐車場 仮眠
何度も記録やトポを読んでルートの概要を頭にいれた。むしょうに緊張と不安があった。

7/31
あかんだな駐車場→上高地→明神池→12:30徳沢→13:30横尾→14:30偵察→就寝
日頃の疲れからか8時頃までダラダラとしてしまった。まぁ横尾までだし焦ることもない。外を見ると雲が多く、道路が濡れていた。霧雨みたいなのが降ったりやんだりと。えー晴れじゃなかったかなぁ・・・。明日はなんとか快晴であってほしい。気になるほどの雨ではないが、こんな天気だったらモチベーションが下がってしまう。準備をしてあかんだなからバスに乗って上高地に着くと、空は明るく雨は止んでいた。上高地はいつものとおりたくさんの人で賑わっていた。山ガールもちらほらと。今回私もスカートではないが、短パンにCWX姿で登ることにした笑。3時間の道のりを経て横尾に着いた。芝生にテントを張ってしばらく休憩。眠すぎてうとうととしてしまった。14時半から渡渉点を確認しにいくことにした。トポとおり岩小屋前で横尾谷を渡ることにした。冷たすぎて痛い!!okaちは平気そうに渡っていく。えーーーまじでぇ。ぎゃーぎゃー言いながらなんとか渡った。T4尾根取付きまで行く予定だったけど、ルンゼを確認してもどることにした。帰りは下流から渡りやすそうな箇所は無いか見に行った。けっきょく、岩小屋前から渡った方が良いということになった。横尾に戻ると駒形で鐙練習した時に教えていただいたHさんに出会った。翌日東稜を登りにいくとのこと。テントの数は増えてテント場は賑わった。

8/1
3
:00起床→4:00出発→4:30渡渉→5:40T4尾根取付→6:00T4尾根登り開始→8:00雲稜ルート取付→8:20登攀開始→15:50終了点→17:20屏風の頭→18:00下山開始→徳沢→22:20横尾
3時に予定通り起きて4時出発。まだ外は暗くヘッドランをつけながら歩いた。岩小屋前のから谷に入り裸足になって渡渉開始。下見にいっていたので冷たい覚悟は出来ていたが・・・。やっぱり痛くて痛くてスムーズには歩けない。でも、心構えが出来てるというのはよかった。一ルンゼの押し出しを詰めていくと屏風岩が近くに見え始めた。T4尾根取付きには雪渓がたくさん残っていた。

T4尾根は5ピッチほどあって、最初の2ピッチはザイルを出したほういい。濡れてる箇所もあってかなり気持ち悪かった。8時頃T4に着くと、先行Pが登っていた。彼らはT4でビバークした2パーティだった。しばらく待って8時登攀開始。Okaちは、昨年リード出来なかったピッチをリードしたいということだったので、1、3、5、7ピッチokaち、2,4,6をinakoとなった。

1ピッチ目 40m

ロングピッチでたってる箇所もある。フリーでトライできるピッチで楽しい。浮石もあって緊張もした。

2ピッチ目 30m

ピナクルを目指して右上する。残ピンを確認しながら登ったが、途中でリング・ハーケンがなくなった。あれ??ルートどり間違えたかなぁと振り返る。クライムダウンは不可能。扇岩へ直上は難しい。右手に見えるピナクルへトラバースをしたい。ピンがないかなぁと見渡すとリングがとれたボルトがあった。作ってきた3ミリのスリングを穴に通して鐙をかけてそっと体重をのせた。一歩が怖そうだったので鐙を使った。こわぁ?。安定した足と手を確保してピナクルを通って左に折り返して扇岩テラスに着いた。精神的に悪い。okaちも無事あがってきて、「もう少し下の方で右へもっとトラバースしたら簡単だったのに」と言われた。私にはピンがわかりにくかった。

3ピッチ目 35m

核心部鐙ルート。綺麗なボルトが見えるがフリーなんて無理。鐙のかけかえで機械的に進む。今にも切れそうなスリングやらワイヤーやら・・・リードだったらかなり緊張するなぁと思いながら登った。ビレー点につくと、先行Pが懸垂で下りてきた。なんと烏帽子で会ったことあった方だった。ビックリ。先行Pをかなり待った。扇岩から東稜を登ってるパーティが見えた。

4ピッチ目 20m

ハング下をトラバースして東壁ルンゼに入る。トラバースはバランスを崩すと終わり。腰を低くして進む。切れ落ちていて高度感満点らしいが、下をみると怖くなりそうなのであまり見なかった。フォローなら楽しめそうかな。

5ピッチ目 40m

スラブルート。濡れてる箇所があってフリクションはまったくきかない。滑る滑る。快適とトポに書いてあったが、怖かった。A0しまくった。このピッチも高度感満点。

6ピッチ目 35m

傾斜はおちてブッシュが多いスラブ。靴裏が濡れて滑りやすいので何度もチョークでふき取った。

7ピッチ目 35m

沢のぼりのようなびしょびしょのルンゼを登る。ランナーとれず、一番怖かったピッチだった。ロープがなかなか進まず、ちょっぴり心配した。フォローで登って、よく登ったなぁと思ったよ、okaちありがとう。

?無事テラスに着いて登攀終了!!長かった登攀、目に涙がわいた。ゆっくりする暇はなく、荷物を片付けて屏風の頭を目指した。踏み跡を慎重に進めば迷うことはない。藪をこいで1時間ほどで登山道に飛び出た。北穂高、奥穂高、前穂高、カラ沢が見えてアルプスに来たんだと実感が湧いた。下降しはじめると東稜を登っていたパーティ(昨日横尾で会った方達)に出会った。懸垂下降で降りたと思っていた。一緒に徳沢へ下ることにした。屏風の耳を通過し、カラ沢のコルで分岐を確認してパノラマコースを進んだ。途中で暗くなって、道がわかりにくい箇所もあったがなんとか無事おりてきた。パノラマコースは雪渓が残ってる為、通行止めと看板がぶらさがっていた。車道を少し歩いて新村橋を渡る予定だったが、暗くて分岐点を見過ごし車道をずっと歩いて徳沢へ戻ってきた。そして横尾へむかって1時間歩いて戻ってきた。横尾の小屋の光が見えたときはホッとした。最後はもくもくと歩いたが、二人とも元気だったし焦ることなく落ち着いて行動出来ていた。あ?長かった一日、テントに入ってひっそりと乾杯した。

?8/2
6
:00起床→9:00出発→上高地→温泉→21:00京都

6時頃起きる。余韻に浸ることなく寝たので、写真をみながら一日を振り返った。9時頃荷物を片付けて下山した。徳沢でokaちがアイスクリームをご馳走してくれた。

?とても濃い一日だった。登攀は今までにないアルパインさを感じた。フリー、A0、A1ととても楽しかった。憧れの屏風岩をokaちと一緒に登れて、無事登攀できて、本当に嬉しかったし最高の1日だった。okaちに感謝感謝の気持ちでいっぱい。課題・反省はたくさん残ったね。次回の登攀に活かそう。よろしく!!