縦走@南ア・甲斐駒ヶ岳?鋸岳
2010年 10月 1日 | 南アルプス, 無雪期縦走南アルプスは最近深南部へとよく行っているが、今回は鋸岳の縦走を計画した。甲斐駒ヶ岳から京丸山まで歩いた尾根がつながっているが、甲斐駒ヶ岳から先、鋸岳の先の三角点ピークまで北に足を伸ばそう。
【行程1日目】 行動時間 6時間50分 天気 晴れのち午後からガス
北沢峠7:00?7:55仙水峠8:15?9:20駒津峰9:35?10:30甲斐駒ヶ岳11:00?11:45六合石室12:00?12:50三ツ頭12:55?13:50中ノ川乗越
夜中1時頃に仙流荘の駐車場に着いて仮眠。朝起きるともう4?5台のバスは出てしまった後だった。
慌ててバス乗り場に行くともうガラガラになっていた。
北沢峠を7時に出発し、仙水峠経由で駒津峰へ、大勢のハイカーで賑わっている。
これから向う鋸の尾根が綺麗に見えている。
甲斐駒ヶ岳で30分ほど展望を楽しみ、六合石室へ向う。
途端に誰も居ない稜線歩きになり、快適に下って石室へ。
思ったよりも綺麗に整備されており、泊まるには快適そうだ。
小屋の中で15分ほど休んだ。
小屋から直ぐでザレた広場に出て、そこから南に少し下ると良い水場があり、今夜と明日の行動用の水を確保。
穏やかな樹林の中の道を辿る。
途中で、湧いてきたガスの中に入ってしまい、視界が無いまま三ツ頭に着く。
立派な標識が建っている。ここから八丁尾根経由で雨乞岳までいつか行ってみたい。
さて、この先は山腹を巻きながら進む。中ノ川乗越へ歩くが、ガスで何も見えない。
中ノ川乗越は広い鞍部で東側に大き目のテントが張れる整地がある。
風は西から吹き上がっているので、この場所は当たりにくく快適そう。
パーティが来たら広いスペースが要るだろう。
単独の我がテントは一段南に上がった小さなスペースに張る。
西から強風が常に吹いており、テントが煽られてうるさい。
濃霧の中、日没を迎えたが結局誰も来なかった。
夕方、鈴の音と人の話声が2回聞こえたが、山行後に会の人に聞くと、風に乗って伝わってきた遠くの音のようだ。
かなり遠くにしか人は居なさそうだが・・・・・。
【行程2日目】行動時間 8時間00分 天気 晴れ
中ノ川乗越5:40?6:10第二高点6:20?最低点(小沢を渡る)6:35?6:50鹿窓7:00?小ギャップ7:10?7:20鋸岳(第一高点)7:35?角兵衛沢のコル7:55?8:15三角点ピーク8:20?8:40角兵衛沢のコル8:50?9:30大岩ノ下ノ岩小屋9:45?11:05角兵衛沢出合11:45?13:15戸台駐車場13:20?13:40戸台大橋バス停
朝起きると風は弱くなり、晴だ。
向かいに立ちはだかる尾根の正面に見えるルンゼの中を、礫を踏みながら高度を稼ぐ。
上部ではジグザグに登り、勾配が緩んで樹林の中を少し進むと第二高点に立つ。
山頂には大きな刀が建っており、正面に綺麗な三角形をした鋸岳が格好良く見える。
さていよいよ今回のルートの核心だ。まず、礫で歩き難い下り。
正面に向かわず、左手に直角に折れてガレと樹林帯の境目を下降。
テープや目印が多くあり、踏み跡も一般登山道のように明瞭だ。
右手に急峻な第三高点からの尾根を眺めながら下降し、だんだん右に旋回して大ギャップから来る礫の詰まった涸れ沢に出る。右斜面から少し水が出ている。
鹿窓へは濡れた礫を踏んでほんの少し10m程度この沢を下ってから、沢を離れ右側から張り出した岩の末端部について右手に斜上する。
10mほど登って、鹿窓から来る小ルンゼを渡る。
バンドを伝い、大きくジグザグをきって登って行くが、ルートは明瞭だ。
鹿窓が見えてきて、上部でルンゼの中に入り鎖場となる。
真新しい鎖が長く続く。易しい登りで窓を潜って反対側に出ると、狭いが休憩できるスペースがある。
ここまで想像していたほど難しくは無く、鎖場以外は一般道並みで第二高点から30分で着いた。
鹿窓の縦長に開いた穴からの風景を楽しむ。
鹿窓からは尾根を少し巻き進んでちょっと乗越すと、すぐに小ギャップの下降となった。
最初右寄りに潅木などを掴みながら下り、下の方で凹みに下がった鎖を頼りに鞍部に立った。
狭い鞍部からはまた上りだが新しい鎖が架かっており、足場も豊富にあり難なく上がれた。
どうもこれで難所は終わりのようだ。
この先は一般道と変わらず、単調に尾根を進んで鋸岳山頂へ。
展望は雄大だ。しかし今日の仙丈ヶ岳は山頂部だけガスがとれず、冴えない色をしている。
甲斐駒ケ岳方向も逆光で尾根筋など陰になって綺麗には見えない。
これから向う三角点ピークは樹林に包まれた穏やかな山体を見せている。
急下降で角兵衛沢のコルへ。荷を置いて三角点ピークまで往復する。
途中に信州側が切り立った垂直の岩尾根があり、高度感があって面白い。
三角点は何の変哲も無い樹林の中にあった。
横の木に登れば直ぐ先の編笠山の山頂部が見え、その背後に北の方の山並みが一望できる。
角兵衛沢のコルからは非常に歩き難いガレ場をずっと音をたてながら下降する。
いいかげん嫌になったころ、やっと傾斜が緩み、大岩下にある岩小屋への分岐点に着く。
岩小屋は湿っていてあまりいい環境では無さそう。
ここからは緩い樹林を長く下り、戸台川の広い河原へ。
日差しが強く、木陰で休む。
今日は気が向いたので、昼御飯にラーメンを作る。
熱いコーヒーを入れ、ゆったりしたひと時を過ごす。たまにはいいな。
長く単調な河原歩きで足が疲れた頃、戸台の駐車場へ。
一台も止まっていない。さらに車道を歩いて、戸台大橋バス停へ。
10分待って乗り込むと満員だった。
甲斐駒ヶ岳から戸台まで登山者とは一度も会わなかった。
甲斐駒ヶ岳までの賑わいとはあまりにも対照的な静かな山歩きとなった。
仙流荘で汗を流して帰路についた。