ハイキング@伊豆・南伊豆歩道

2010年 12月 17日 | ハイキング, 東海

 伊豆半島の地図を眺めていると、南端に近い西海岸側は道路が比較的内陸側を通っており、海岸線は車道から離れている。調べてみると、海岸沿いに歩ける南伊豆歩道や長津呂歩道というハイキングコースが整備されているようだ。その他に地形図も眺めてみると、二十六夜山といういい名前の山がある。石廊崎西側の出入りの激しい海岸地形もなかなか面白そうだ。
 今回歩く予定の妻良から石廊崎までの区間には吉田、入間、仲木の3集落があり、今回泊まる予定の富戸ノ浜の両端にあたる吉田から入間の間だけ泊まりの荷物を持つこのとにして、まずは車で吉田の浜へ行き、荷をデポし、出発地の妻良へ移動する。

【行程1日目】行動時間 5時間15分 天気 晴れ 西の風強し

妻良9:10?北谷川浜分岐9:50?11:00二十六夜山11:00?12:00白鳥神社(吉田)12:15?13:25富戸ノ浜13:45?14:25標高160mピーク

北谷川浜からの風景

妻良?吉田

今日は天気が良いが季節風が強い。

キカラスウリの実が目立つ林道を歩く。

右手は木の間越しに海の広がりが覗く。

林道から歩道に入る。

急坂を下降する。

真っ赤な実

明るい照葉樹林を抜けると、小沢沿いに下る。

その先に海が広がる。

白波が立っていて、荒れているが青色が綺麗だ。

海岸近くまで下ると北谷川浜への分岐を過ぎる。

左にやや急な斜面をトラバースしてこんどは南谷川浜分岐だ。

海岸まで下りようかと思ったが風が強く寒いので見送った。

美しい照葉樹林をゆく

ここから上るとすぐに、変わった見慣れない岩がある。

凹凸が多く、岩登りしたら面白そうだ。

ところどころ穴が開いている。

そこから急な上りと斜面のトラバースで小尾根状のところに出た。

右に低い尾根を見ながら凹地状の地形の中をまっすぐ行く。

この緩いゆったりした登りは照葉樹林の森が広がり美しいところだ。

二十六夜山

やがて右から低くなった尾根が寄ってきて、ベンチのある稜線に出た。

ここからは遊歩道を離れ、そのまま尾根を上る。

小ピークから左に折れて二十六夜山へ。

山頂は何の変哲も無い。

今まで見えなかった富士山が白く霞んで見えた。

帰りはさっきの小ピークからそのまま真っ直ぐ進む。

アロエの花

踏み跡を辿るとやがて右に山腹を旋回して遊歩道に合流。

海沿いの稜線から内陸側の小沢を下降する。

左側にアロエ畑が見えてきたら車道に出た。

吉田は小さな集落で、アロエがいたるところに植えてある。庭にも。

ちょうど花の季節で、普段の登山では味わえない光景が見られて新鮮だ。

遊歩道の案内板に従って車道を離れ、左の山際をのんびり歩いて白鳥神社へ。

ビャクシンの木の下で

ビャクシンとかいう変わった幹の木があり、その下で休憩だ。

波の音と風の音があるだけ。

ボーっとしている時間がいい。

吉田?泊地

ここから少し先の海岸で泊まりの荷を背負う。重い。

海岸の端から山道を登る。

吉田の浜から南に向う

最初海岸より内側の斜面をジグザグに登り、小尾根を回って山腹の道になる。

結構アップダウンが激しく、遊歩道にしてはハードだ。

右手に白波を立てた大海原が見えて爽快だが、風が冷たい。

荒々しい磯を眼下に眺めながら進む。

富戸ノ浜が少し見えるようになるが、風が強くて泊まれるか心配だ。

やがて下りになり、尾根を離れて内陸側に入り、凹地を下降する。

富戸ノ浜への道から

海から陰になっている凹地は予想に反して浜からの風の通り道になっている。

今まで以上に強風が吹き上がってくる。

海岸に着く。

あまり良い場所ではないがテントを張れる平坦地と、沢の水は期待通りだ。

しかし、今日は波が高く、風も強い。

みんなで相談した結果、浜での泊まりは安全を期して止めることに。・・・・・・残念。

富戸ノ浜が見えてきた

玉砂利の海岸にはゴミがいっぱい打ちあがっていて綺麗ではない。

このゴミさえ無ければ、さぞ美しいだろうに惜しい。

さらに進む。

浜の端から沢を渡り、尾根に出て登ると、今まで以上に強風が背後から吹いてくる。

下から押されて上りには少し助かったが・・・・・。寒い。

泊まりに良い平坦地が見つからないまま尾根をどんどん上がっていく。

夕日

やがて標高で160mの最高点に達した。

ここで道は大きく右に曲がっている。

その曲がり角のところが休憩地点になっている。

今日はここまでとした。樹林に守られて風が防げ何よりだ。

さすが南方の海岸そばなのでテントに入ると暖かい。

久し振りに見る海に落ちる夕日が綺麗だった。

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【行程2日目】行動時間 5時間15分(石廊崎港まで) 天気 晴れ

標高160mピーク6:50?7:25千丈敷7:45?8:20入間8:35?10:00仲木10:10?11:40石廊崎11:50?12:05石廊崎港(昼食)13:00?13:10石廊崎港口バス停

朝の斜光を浴びる海蝕崖

泊地?入間

朝起きると雲が多いが晴れのようだ。

西の空がオレンジ色に染まっている。

尾根を鞍部まで下り、左に回って浅い沢沿いに下りる。

見通しのない樹林の中をくだること20分あまり。

アスファルト舗装の車道の終点に出た。

ここで荷を置いて千畳敷までさらに下降する。

千畳敷

千畳敷を示す道標は見当たらない。

目の前の海に向って急な階段を下りる。

朝の光が崖に当たってオレンジ色になっていて清々しい。

海岸まで下りて少し上り、岩場をトラバースする。

急に開けて大きな岩の面の上に出る。

南に荒々しい海岸線が望める。

広い展望と足元からすっぱり切れ落ちた先の海の景色が素晴らしい。

南を望む

先の車道に戻って、車道を少し歩き、再び山道を進む。

海岸沿いの山腹を巻き進み、入間の漁港の端に出る。

アスファルトの道を歩いて集落の中心へ。

入間?仲木

泊まりの荷はバス停近くに残置し、再び軽装になる。

案内板に従って畑の間の道を歩き、水場の先でまた山道の急坂となる。

入間の漁港へ到着

海岸線は急崖なので取り付きは内陸側の山の斜面をジグザグに登る。

古くからある道なのか、石垣が組んである。落ち葉で滑りやすい。

それにしても昨日から歩く人に全然会わない。

天気も良いのにどうしたことだろう。

メジロなど野鳥の声を聞きながら喘ぐと地形図の153mの南の尾根上に出た。

目の前には樹林越しに海の青が広がる。

千畳敷方面を振り返る

尾根の乗越からは自然林の中のトラバースが長く続く。

多少のアップダウンがあるが明るくて気持ちよい。

今日の海は昨日とは全く違って穏やかそのもの。青が綺麗。

やがて前方に崖に囲まれた君掛根の小島の威容が迫る。

さらに下り気味で進むと木々の間から両側に海が見えてきて面白い。

151m峰で直角に左に折れる。

入間への風景

地形図の破線の延長線に出ると思っていたがこの先も尾根通しで歩く。

途中、岩をくり貫いた念仏洞があり、見学。

尾根が急になり左の斜面にジグザグを切って下ると墓地に出て寺の境内へ。

階段を下りて橋を渡ると仲木の漁港だ。

明るい日差しを受けて目抜き通りを歩くが人も車も殆ど通らない。

ここでもアロエがあちこちに生えている。

石廊崎より下田方面

N沢君が擦り傷を作ったがいつでも塗れる。

仲木?石廊崎?石廊崎港口バス停

どうも南伊豆歩道は仲木までらしい。

ここからは長津呂歩道という看板がある。

家の前の狭い階段から始まる。おばあちゃんに励まされる。

畑と山の間の急登を10分位で右側の山の下が洞窟のように暗い穴となっている。

旅の終わり 石廊崎

何だか怪しい雰囲気が漂う。何だろうかここは?

その先で車道へ。県道を100m位南に辿って左の山道に入る。

戻りようにして斜めに登りながら山腹を辿る。

折り返し植林の間を上るがここにも石垣があり、この道は歴史ありそうな感じだ。

明るい峠で一休み。今日は気温が高く、風もあまり無く快適だ。

緩やかな広い道を辿ると高原状になり、前方の丘陵と背後の海が見える。

遠く伊豆七島の島影が微かに見えている。

気分よく歩いているとまた県道に合流。

歩道の案内板は石廊崎へ車道を歩くように示している。

それでは面白くないので、少し歩いたカーブから車道と別れ、踏み跡のある小尾根へ進む。

どうやら釣り人が通る道らしい。気持ちよい自然林の中に細々と続いている。

少し急な下りがあった後、薄暗い鞍部に出た。道は尾根に続いているが、ここで左手の沢に下る。

浅い沢と言うより凹地状の底を辿っていくと左からの本流に合流。

右に曲がって海に向って下降する。

この先、小沢、凹地、山腹、小尾根を地形図片手に巡る。

うまくルートを結んで石廊崎灯台に続く遊歩道にぴたりと出た。

途端に観光客が結構来ていて、今回の山行?で集落以外で初めて人と行き交う。

10分ほどで伊豆半島最南端の石廊崎の先っちょへ。

みんなで記念写真。七島の島影がかろうじて見えている。

戻って石廊崎港へ。

みやげ物屋のおばさんに声を掛けられる。

バスまでの1時間待ちもあり、たまにはいいかと珍しくお店に入って磯の定食をみんなで食べた。

海草のスープが旨く、みんなで何杯もお替りした。

石廊崎港口13:14発の妻良連絡の最終バスに乗ると乗客は我々だけ。

3人は入間口で降り入間漁港へ下り道の散歩。

H内は妻良までそのままバスで行き車を回収。

車で戻って入間浜で山行を終えた。

帰路、土肥温泉の元湯に寄った。

有名温泉地の中にあって地元の外湯で泉質もよくあたりだった。