奥美濃 石徹白川俵谷

2009年 6月 7日 | 奥越・奥美濃・白山, 沢登り

フリークライミングでお世話になってるアルパインをやめられた先輩から古い岳人(96年?02年)をいただいた。ぺらぺら見てると01年の岳人に、今回遡行した俵谷が載っていた。石徹川へは06年に初河谷へいったのが初めてで、それ以来行く機会がなかった。奥美濃は山深く原生林が美しいので、沢登りで再訪したいなぁと思っていた。
岳人には「美しいナメが次々に現れ、その間に滝がいくつも挟み込まれ最後まで飽きさせず楽しませてくれる。また、小白山は登山道のない山なので登頂の達成感もひとしおだろう」と書いてあった。この最後の一文に更に惹かれ、是非ともいってみたくなった。ちょうどS木君と日帰り沢をどこにしようかと考えていたところだったので提案した。

6月6日
福崎IC→白鳥IC→小谷堂→俵谷林道→仮眠21:30
6日の雪彦での岩講習を終えて16時半頃姫路を出発した。東海北陸道の白鳥ICで降りて小谷堂へ向かう。08年に遡行された記録を読むと俵谷林道が崩壊してると書いてあったので、S木君に役場へ問い合わせてもらった。問題なさそうな回答だったようで、行けるとこまで進むことにした。林道は整備されてなく走りにくい。真暗で少し不気味な雰囲気。少し広いところに車を止め、宴会してから仮眠した。

6月7日
起床3:30→出発5:00→入渓5:30→堰堤?5:40→堰堤?5:55→堰堤?6:10→20m直瀑8:10→15m逆くの字形9:10→6m滝10:55→小白山12:05→下山12:20→駐車17:30
林道歩きに時間(08年の記録:往復2時間)がかかることから早く起きて出発することにした。3時半予定どおり目が覚めるが身体がだるい、眠い。前日の岩講習の疲れだろうか・・・。3人ともダラダラしてしまう。ようやく重い身体を起こして朝食を済ませ、準備に取りかかった。仮眠したところよりもう少し進めそうということで車を走らせた。道が悪いため走るスピードは遅く、歩いても大してかわらなかったかも・・・。しばらく行くと路肩が崩壊していて進めなくなり車を止めて歩くことにした。林道は二俣になり沢へ下る右俣を進み入渓した。入渓した地点は標高700m付近だった。岳人の記録によると01年の頃は林道終点の800m付近まで入り、堰堤上の地点から入渓できた様だ。08年の記録のとおり林道崩壊により車で終点まで入れず早めの入渓となった。平凡なゴーロをすすむと堰堤に3回ぶちあたった。最初2回は右側から3回目は左側から越えた。堰堤を越えるのに、予定どおり出発から1時間かかってしまった。
さて、ようやく俵谷の始まりだ。4mの美しい滝が迎えてくれた。滝を越えるとナメや小滝が続き、気持ちよい新緑の中を歩く。心が癒された。880mの二俣を左にすすむと谷の核心部となる。2段10mの滝を右岸から巻き、巻き上がったところから沢幅いっぱいの釜をもったナメ滝やナメ床が見えた。岳人にもかいてあったが歓声をあげてしまうほど美しい。ナメ滝は直登できるが落ち口が緊張する。釜をもった小滝が連続する。釜に浸かって滝にとりつく気にはなれず、落ちないようにへつりを楽しんだ。核心部最後の20m直瀑を左岸より巻いた。巻き道は泥で滑りやすくやらしい。
しばらく谷は平凡となり、1030mの二俣を右へすすむと15m逆くの字形の滝が現れた。この滝は右岸のルンゼから越える。だんだん傾斜がまし、足・手元はボロボロで落石がひどくかなり緊張させられた。この谷で一番の核心部分だったかもしれない。滝上にでると素晴らしいナメがつづいた。陽射しがあたって気持ちよく、谷は美しく最高だった。このあともいくつか滝が現れるが、直登が可能である。最後に大きな3段12mの滝が現れ、右岸よりルンゼをつめて藪をトラバースして巻いた。トポ最後に記載されてる6mの滝は、ブッシュを掴みながら直登して超えた。
さぁあとは小白山へむかうのみとなった。最後の滝を超えると谷はだんだん狭まり水量もすくなくなる。笹薮をかきわけながらすすみ、30分ほどすると1500m付近で雪渓が現れた。少し残ってる程度かと思ったが、20?30mほど雪渓が続いた。雪渓のおかげで藪を大してこがなくてすんだ。雪渓がなくなり水も消え背丈を越えるほどの笹薮となり(11時45分)、稜線を目指して藪をこぐこと10分ほどで稜線にのった。(11時55分)岳人の記録どおり小白山南東尾根にのったらしく北北東をむいて藪をさらに10分ほどこぐと小白山の三角点をみつけた。まだかまだかと思っていたので、三角点をみつけたときは歓声をあげて喜びあった。時間的にピークへは厳しいかと思ったときもあったが、道なき道をすすみ目的どおりピークに立てたことはとても嬉しく達成感でいっぱいだった。山頂からは360度の素晴らしい展望が開けると書いてあり、藪山なのに視界はいいのだろかと不思議だった。確かに山頂付近の藪は背丈が低く視界がひらける。我々がピークにたったときは運悪くガスで何の展望もなかったが、ガスが晴れていたら素晴らしい景色を堪能できたにちがいない。
ピークで10分ほど休憩をとり下山することにした。下りは同沢を下降することにした。何度か懸垂下降(4回)をし、5時間ほどでもどってくることができた。
ザイルは30m2本もっていったが、1本でもいけないことはない。日帰り沢にしてはかなりハードで、体力を要する沢だろう。また、核心は巻きであり、落石に注意が必要だ。
2度目の奥美濃の沢、素晴らしい原生林・山深さに感動した。谷は豪雪地帯独特の雰囲気を感じた。登山道のない山に谷からつめて登頂できたことがとても嬉しい。
帰りは福井県まわりで帰ることにし、九頭竜温泉「平成の湯」に入り、福井IC手前にまったレストラン「十阡萬」(大きなお店なのに客は我々と他2人しかいなく、どんな料理がでてくるのか楽しみだった。意外に量も多く美味しくてビックリ!少しお高い。)によった。