縦走@九州・犬ヶ岳から鷹ノ巣山、英彦山へ

2013年 3月 3日 | ハイキング, 九州, 無雪期縦走

三大修験山のうち、英彦山だけはまだ登っていない。

宇島駅

宇島駅

往復では面白くないので、大分・福岡県境の犬ヶ岳から縦走することにした。
登山口へは日豊本線の宇島駅からバス便がある。
事前に時刻を調べると列車到着の1分前がバスの発車時間。
接続を考慮して念のため1時間前に駅に着いておいた。
12時22分発の豊前市バス求菩提資料館前行きは発車した。
列車の停車と同時にバスは発車。
接続しそうでしない絶妙で不思議なダイヤだ。

 

【行程1日目】 行動時間 3時間30 天気 曇りのち小雪とガス

求菩提資料館前バス停13:10?読経林道14:20?14:55笈吊峠15:00?15:55犬ヶ岳16:05?大竿峠16:20?16:40一ノ岳

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求菩提資料館前バス停から読経林道へ

求菩提資料館前バス停

求菩提資料館前バス停

 終点までの乗客は自分だけだった。
 資料館には寄らず岩岳川右岸の車道を進む。曇り空だ。
 車が1台駐車している分岐をウグイス谷へ進む。
 植林の中、右岸を詰めていく。
 最後は植林の歩きにくい小さなジグザグの急登で読経林道に出た。?

読経林道から犬ヶ岳へ

 林道に出て右に進む。
 林道に出る手前から薄く雪が積もり、滑りやすい。
 寒々しい林道を平坦に10分ほどで小沢がある。
 ここで明日の豊前坊までの水を3?確保。
 小沢のすぐ横から尾根を目指す。

樹氷の尾根道

樹氷の尾根道

 自然林の広い斜面を20分ほどで笈吊峠へ
 峠に着くと時おり雪が舞い、ガスも掛かってきた。
 展望が閉ざされ、木々には霧氷が付いている。
 大日岳を過ぎ、稜線を進むが風はあまりない。
 両側のブナやカエデの樹氷が美しい。
 シャクナゲの大きな木もあり、花の季節は良さそう。
 最後の急な登りで犬ヶ岳山頂へ。
 濃霧で視界無し、残念。
 展望台があるが樹高のほうが高く、晴れても見えそうにない。

犬ヶ岳から一ノ岳へ

展望の無い犬ヶ岳山頂

展望の無い犬ヶ岳山頂

 ここで泊まろうかと思ったが風が抜けるので先に進む。
 樹氷を楽しみながら緩やかな尾根歩き。
 大竿峠を過ぎ、登って右に曲がり再度緩く登ると一ノ岳山頂。
 犬ヶ岳より展望が良さそうだが今日は濃霧。
 草地の雪を除けてテントを張る。意外と風は当たらない。
 家で半加工してきたすき焼きが晩飯。
 美味い、お酒も少し。
 明け方目を覚ますと星がいっぱい出ており、10分ほど外で眺めた。

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【行程2日目】 行動時間 9時間15 天気 晴れ

一ノ岳6:40?8:20野峠8:25?9:50鷹ノ巣山 三の岳9:55?10:20鷹ノ巣山 二の岳10:35?11:15鷹ノ巣山 一の岳11:25?薬師峠北11:40?11:55豊前坊12:00?12:25望雲台12:30?13:25北岳13:35?14:00英彦山中岳(⇔南岳往復)14:30?15:35奉幣殿15:40?15:55銅の鳥居バス停

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一ノ岳から野峠へ

ブナの木

ブナの木

 朝6時40分出発。
 雲が多いが行く手に鷹ノ巣山や英彦山が初めて見えた。
 樹氷のトンネルを下り、緩やかになった尾根を坦々と進む。
 ブナの大木もポツポツあり、枝ぶりが格好良い。
 林道がすぐ右下に見える。
 ちょっと興醒めだが、縦走路は誰もいないし、林道は雪があり車は通らない。
 静かな尾根をアップダウンしながら行くが思ったより長く感じる。
 途中で前方が開けた場所に着く。
 鷹ノ巣山がはばかり、登高意欲が湧く。
 山頂部は樹氷で少し白くなっている。
 その先は岩の痩せ尾根が右に旋回して続くところがある。

ハヤブサ

ハヤブサ

 短いが少し高度感があり爽快。
 やがて植林帯となり、スピードアップして車道に飛び出す。
? すぐ先が国道496号と500号の三差路でここが野峠だ。

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野峠から鷹ノ巣山経由、豊前坊へ

 峠の三差路から鷹ノ巣山への尾根取り付きが分らない。
 500号を20mほど進み、そのまま左へ強引に登る。
 尾根の芯に2?3分で出ると踏み跡があった。

鷹ノ巣山三ノ岳からの英彦山

鷹ノ巣山三ノ岳からの英彦山

 赤テープの目印も要所にある。
 植林の中を登っていくと次第に勾配がきつくなってくる。
 植林はしばらく続く。
 大きく下ってまた登り返す。
 平坦に近い道をしばらく進む。
 勾配が徐々に増すと、前方に威圧感ある鷹ノ巣山が迫る。
 やがて道は標高920mあたりで左にトラバース。
 鷹ノ巣山から南東に張る尾根を右に大きく旋回して巻く。
 巻いた先が鷹ノ巣山三ノ岳への分岐だ。
 空身で三ノ岳へ登る。

鷹ノ巣山と左に犬ヶ岳方面を望む

鷹ノ巣山と左に犬ヶ岳方面を望む

 途中の岩場ではフィックスロープが途中で切れている。
 凍った岩場を、危険なロープは使わずに登る。
 英彦山が綺麗に望める展望地があり、しばし休憩。
 すると山頂直下の大木の枯木に鷹の姿が・・・・・。
 よく見るとなんとハヤブサだ。
 精悍ですごく格好がいい。
 長く山をやっているが山中でハヤブサを見るのは初めての体験。
 しばらく見惚れる。写真をたくさん撮った。
 それにしてもよく鷹ノ巣山と名付けたものだ。
 山の名前にもおおいに感心する。
 山頂は展望無し。

望雲台

望雲台

 分岐からトラバースし、今度は二ノ岳に取り付く。
 急な岩を伴った踏み跡を辿る。
 二ノ岳は展望があり、英彦山が見える。
 尾根を忠実に辿り、三角点のある一ノ岳へ。
 道が良くなり、急下降僅かで林道に躍り出た。
 薬師峠の少し北だ。
 車道歩き15分ほどで豊前坊へ。

 

豊前坊から英彦山中岳、南岳へ

英彦山中岳

英彦山中岳

 豊前坊の参道で水を補給し、お参りして登山道へ。
 雪道を辿る。
 さすがにここからはハイキングの人とよく行き交う。
 筆立石を過ぎ、望雲台に寄る。
 雪のトラバースと凍った鎖の岩場の先で東の展望が広がる。
 縦走してきた山々が見渡せて爽快だ。
 足元はすっぱり切れ落ちている。
 分岐に戻り雪道を登る。
 北岳で休憩し、尾根を英彦山中岳山頂へ。
 山頂の東の広場では大勢のハイキング客が休憩している。
 立派な社殿がまさしく山頂に建っている。圧巻だ。

奉幣殿

奉幣殿

 樹氷を纏った南岳に寄り道。
 展望は少し霞があるが、まずまず。

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英彦山から奉幣殿、銅の鳥居バス停へ

 下山は修験者の集団に混ぜていただいて歩く。
 山の中に六根清浄が響き渡る。
 昔から繰り返される山岳信仰の光景を堪能させていただいた。

銅の鳥居

銅の鳥居

 奉幣殿で無事縦走が終了したことを祈る。
 階段と石畳の歴史の道をまっすぐ下へ向かう。
 参道両側に昔栄えた社殿が続く。
 しかし今は行き交う人が無く寂しい感じも。
 銅の鳥居を潜って、今回の山旅も無事終了した。
 帰りのバスの乗客は私ひとり。
 立派な彦山駅からも私ひとり列車に乗り込んだ。
 速度の遅いディーゼルカーの鉄の響きが心地良い。

 

 今度は岳滅鬼山からの縦走も面白そうだ。

彦山駅

彦山駅