夏合宿沢班@カウンナイ川~トムラウシ山(北海道 大雪山)

2016年 8月 15日 | 会企画山行, 会合宿, 北海道, 沢登り

山行名:夏合宿沢班@カウンナイ川~トムラウシ山(北海道 大雪山)
日時:2016年8月9日(火)夜発~12日(金)
メンバー: H岡 O崎 H田 K川 T柳
ルート概要
10日5:30天人峡~6:20ポンカウンナイ沢出合~12:00カウン沢出合)C1
11日 4:40C1~4:45魚止めの滝~7:30オーバーハングの滝~8:10 1360二股~12:00縦走路~12:20北沼
~12:45トムラウシ山~13:30北沼~15:30ヒサゴ沼避難小屋C2
12日 4:24 C2~06 :00 化雲岳~09:00第一公園~10:20滝見~11:40天人峡

今年の夏合宿沢班は北海道のど真ん中、大雪山系のトムラウシ山へ突き上げるカウンナイへ。

9日 プチ北海道観光
天気がよく分からない感じだったが、飛行機で関空から新千歳空港へ飛び、空港で会のメンバーと合流し、レンタカーに乗り込んで旭川を目指す。
樽前、恵庭を望み、支笏湖経由で札幌へ。スープカレーを食べ、275号線で樺戸、増毛を横目に北海道の大稲作地帯を抜けて旭川へ。旭川からはタクシーで天人峡まで。

先行して北海道巡りをしていたH岡さんと天人峡で落ち合い、新設された足湯で宴会。天気も好転し、予定通り入山できそうだ。宴もそこそこに安心して眠りに着いた。

10日 いよいよ入山
翌朝、天気も良く川の水量も特に多いといった感じは見られず、絶好の入山日和だ。
早速、清流橋右岸にある林道を歩いていきポンカウン出合から入渓する。

宿泊地のカウン沢出合までは単調な川原歩き。
聳え立つ柱状節理の岩壁や周囲の尾根の地形などをこまめに確認していると、割に現在地を把握できる。
綺麗な岩盤質のところもちょこちょこありいい感じ。入渓して間もなくの618付近の函地形は左岸から巻きぎみに通過できる。

川原歩きは概ね膝下、時折膝上程度の渡渉を繰り返して進んでいく。平水なら問題ないが、10~20cm増えただけでもスクラム渡渉が必要になるかもしれない。

初日は長い河原歩きが続く

初日は長い河原歩きが続く

美しい箇所もちらほら

美しい箇所もちらほら

そんなこんなで進んでいき、ほぼコースタイムどおりでカウン沢出合へ。昼過ぎくらいについたので昼寝などしてのんびり過ごす。稜線にはガスがかかり始めまさしく夏山といったところか。

晩御飯は夏野菜カレー。本当に野菜たっぷりで美味しい!もりもり食べて、酒宴へ。アヒージョやなど豪華なつまみで入山を祝う。
明日はいよいよ滝の瀬十三丁、どうなることやら。

 

11日 感動の滝の瀬十三丁から神々の遊ぶ庭へ

今日は山の日、滝の瀬十三丁にトムラウシ山と盛りだくさん。

今日は長丁場なので3時起きで日の出とともに出発を目指す。
お馴染みの棒ラーを朝飯に食すべくお湯を沸かしていたが、さぁ茹でようという段階になり棒ラー忘れが発覚…
とりあえず今日はあるものでお腹を満たし出発することに。

今日も最初は川原歩き、支沢や屈曲点を確認しながら歩いていくと、どどーんと川幅一杯のナメ滝、魚止めの滝が迎えてくれる。

とりあえず、朝一寒中水泳と釜に飛び込んで泳いでみると、さすが魚止め、オショロコマがうようよ。
しかし、さすが大雪の水の冷たさも尋常ではなかった。

さて、魚止めの滝はサクッと左岸からサクッと登って、ナメをこなすと今度は音止めの滝。こちらも見事な美しさだ。大きい滝だが右岸からサクッと巻き気味に登れる。

いよいよ滝ノ瀬13丁へ 入口の魚止めの滝

いよいよ滝ノ瀬13丁へ
入口の魚止めの滝

 

続く音止めの滝

続く音止めの滝

そして、いよいよ滝の瀬十三丁の始まり。
川幅一杯にナメが広がり、斜度のあるところでは、まさに滝の瀬。圧巻の光景。色すげぇーという、言葉でしか感動を表現できない。

生えている苔が絶妙のフリクションを発揮してくれるが、それ以外のところや水流が強いところはスリップ注意。
永遠に続くかと思えるナメを思い思いに歩く。途中で出合うイチョウ沢は大きな滝となっていてこれも見事。
途中、朝陽が射し込みキラキラと輝く箇所は、本当に美しくかった。

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、終わりを告げる滝が姿を現す。この滝は右岸から登って滝の瀬十三丁はおしまい。文章にするとほんの数行だが筆舌し難い、美しさがそこにはあった。

川幅いっぱいのナメが始まる

川幅いっぱいのナメが始まる

楽しい!うれしい!

楽しい!うれしい!

ナメが延々と

ナメが延々と

水面に映す影

水面に映す影

あっという間に楽しい区間は過ぎ去る

あっという間に楽しい区間は過ぎ去る

少し歩くとオーバーハングの直瀑。
巻きは右岸から。踏み跡辿って岩壁の下へ来ると、残置ロープが張ってある段差がある。落石に注意しつつ残置ロープ頼りに登る。沢に戻る直前に一張分のテント場がある。

続くは両股が滝で出合う1360mの二股。滝を巻きつつ左股へ進む。真ん中の尾根に巻き道があり、入口にはデポ旗が着いている。踏み跡を歩いて滝上へ。ここも沢に戻る手前にテント場がある。

オーバーハングの滝 右岸から巻く

オーバーハングの滝
右岸から巻く

源頭へ進んでいく

源頭へ進んでいく

1600m付近には滝がいくつか続く、裏を覗ける修業の滝や、滝の瀬十三丁を思い起こさせるナメ滝などもあり、青空の下、快適な遡行となる。
両岸にはやチングルマなどの花が咲き始める。

滝も一段落するといよいよ源頭部。ところどころ残る雪渓などもみつつ、イワイチョウやシナノキンバイなど多くの花が咲き乱れる中を歩く。まさしくカムイミンタラ。

チングルマの綿毛

チングルマの綿毛

美しい源頭部

美しい源頭部

天国のような源頭を堪能して、トムラウシ山に続く縦走路へ。
適当に荷物をデポして、ピークを目指す。時間は午後に差し掛かり、ガスが出始めてしまった。

ロックガーデン上の荒涼とした感じはまさしくトムラに来たといった感じだ。
時折ある花を楽しみながら北沼を通過し、最後のひと登りをこなしてトムラ山頂へ。ガスガスで景色が見えないので残念だが、ここまでの行程を考えたら最高のルートでトムラにこれたたいえるだろう。

長めに休憩を取って、来た道を戻る。今日は大分動いているので疲れもあるが、一踏ん張りしてテント場まで。

今晩は、O崎さん作の麻婆茄子春雨。疲れた体に染み渡る美味しさ。食前のきのこのオリーブオイル煮も美味なり。
懸念であった朝御飯も、今日の米を少し残し、みんなが持ってきているものを合わせて雑炊を作ることでなんとかなりそうだ。

トムラウシ山頂へ

トムラウシ山頂へ

12日 気持ちのいい天人峡下山
寝入るころはガスガスだったが、深夜にトイレのために外にでると満天の星空。最高だ。しかも、流れ星がヒュンヒュン流れる。さすがペルセウス座流星群だ。

もう一眠りして起床、雑炊を作る。塩昆布や漬物をぶちこむとなかなか美味。特にカレーに入れ忘れた福神漬けがいい役を演じている。

お腹を満たし、ささっと片付けて出発。すでに空は白んでいる。稜線に出るあたりで日の出。
裏大雪の向こう側から赤い太陽が登ってくる。

朝陽とともに

朝陽とともに

化雲までの登りは、チングルマの綿毛広がる平原が美しく染まる。
化雲に着くとドドーンとお鉢から高根ヶ原、北大雪を望むことができる。振り返るとトムラの王冠が見え、横に少しオプタテシケ山が見える。
東には沼の原、その向こうに石狩岳、ニペソツ山、ウペペサンケ山と裏大雪が聳える。

朝日に輝く綿毛

朝日に輝く綿毛

トムラウシをバックに

トムラウシをバックに

景色を堪能して、下山開始。ここから13kmにも及ぶ道のり多少気が滅入るが、最初の稜線歩きは、まだまだ美しい花畑が広がり気持ち良く歩くことが出きる。
少し進むとトムラに隠れていた十勝連峰が見え、オプタテシケ山から富良野岳まで丸見えだ。

途中、イワギキョウやチングルマの群落と後ろに広がる素晴らしい稜線を望む絶好のスポットなども楽しみつつ、下っていく。
第二公園くらいに差し掛かると、足元が悪くなりダルい感じだが、第一公園に差し掛かるとワタスゲやタチギボウシが咲き乱れていて美しい。旭岳もいい感じに近くに見えるようになった。

雄大な表大雪

雄大な表大雪

チシマギキョウ

チシマギキョウ

チシマギキョウとお鉢

チシマギキョウとお鉢

お鉢をバックに

お鉢をバックに

花咲き乱れる第一公園

花咲き乱れる第一公園

第一公園も過ぎ、樹林内のたらたら区間へ。
滝見台で巨大な羽衣の滝を楽しみつつ、三十三曲がりを数えるというイベントもこなして、夏の日差し降り注ぐ天人峡へ。

物を干しながら、温泉で汗を流す。ここでH岡さんとはお別れ。行きにお願いしたタクシーを再び召喚し、旭川へ。飢えた胃袋をジンギスカンで満たし、セール中の北海道の山の店秀岳荘でいろいろ物色、その後は、市街に戻り、ディープな馬場ホルモンから海鮮居酒屋へハシゴ、セコマでつまみを買い足し夜は更けていった。