沢登り@芦廼瀬川本流(大峰)

2016年 8月 1日 | 沢登り, 紀伊半島

山行名:沢登り@芦廼瀬川本流(大峰)
日時:2016年7月29日(金)夜発~31日(日)
メンバー: I村 T柳
ルート概要
30日 8:00入山地点~8:20七泰ノ滝~8:50槇滝~10:30百間嵓~12:00焼嵓淵~12:308mの滝~15:00宿泊地泊C1
31日 7:00C1~8:30 S字峡~9:30出渓点~9:40駐車適地 自転車で入山地点へ車回収

三連休の黒蔵谷が流てしまってから2週間、I村さんとどこか沢に行こうということで、大峰の秀渓、芦廼瀬川を遡行することに。

金曜夜に出発して、いつも通り近くの道の駅で宴会をして沈。

翌朝、小1時間くらい山道を走って入渓点へ向かう。出渓点に自転車をデポしていると、明らかに沢に入るであろう人たちが。

七泰ダム手前に駐車し適当に準備して出発。ダムを右岸から越えて少し歩くと七泰ノ滝。滝の岩棚から竿を出している釣り師がいるので、釜では泳がず、おとなしく右岸をまく。踏み跡はしっかりしていてサクッと巻ける。

岩盤を迫力の水流が流れるいい渓相の中を進んでいくと美しい釜を湛えた保色滝。沢本には右岸巻きとあるが、別に左岸から巻くことができる。特にいやらしさはない。

今回からmont-bellのラバーソールの沢足袋を導入。岩には吸い付くような感じで絶妙に効くが、フェルトでもすべるかな~?というなヌルヌルが激烈に滑るといった感じだ。ただ、この沢足袋はフェルトわらじを装着可能なので使い分けもできる。

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槇滝 左岸から巻く

保色滝を巻くとゴルジュの奥に美しい瀑布を持った槇滝。ツルンとしていてとてもじゃないが登れないのでゴルジュ手前の左岸から巻く。
出だしがそこそこの岩壁になっており、斜度もありムーブも大きめ。ザイルを出し安全に行く。確保支点は立木。
ゴルジュの岩壁の上に出たら適当に踏跡を歩いて自然と沢に戻れる。

 

ゴルジュを超えると沢が開けて明るくなる。朝日が気持ちいいものの、すでに暑くなりつつある。
そんな中を進んでいくとイブネと呼ばれる区間に突入。釜を持った小滝や淵が連続する。泳ぎたかったので渡りに船だ。

美しいエメラルドグリーンの天然プールを存分に楽しみながら進んでいくと目の前に大岩壁か聳え立つ。
百間嵓にたどり着いたようだ。沢中から反りたつ100mの岩壁は圧巻だ。国道のすぐ隣の沢がこんな景観を持っているなんてなかなか思い当たらないだろう。

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青空に聳える百間嵓

その後も大きな釜を湛えた段差が続く。大体簡単に越えられるが、1つだけ右岸に取りついたものの登れず右岸から巻いたものがあった。

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美しい淵が続く

 

さらに進むと両岸が切り立ち、再び深いゴルジュに。ヒイラギ大淵、どうあがいても泳ぐしかない。
穏やかな淵で時折、足もつくので難なく進める。

ヒイラギ谷を見送って三度、高く切り立つ暗いゴルジュ。100m続くという焼嵓淵だ。
穏やかな釜が次第に収束していき淵となる。両岸ははるかに見上げる高さ、空は狭いが休み休み泳いで進んでいく。
時には振り向き、時には見上げ、泳いで行くと出口には陽光に照らされた8mほどの滝。
この滝自体は左岸から簡単に登れる。今回はライフジャケット着用だが、前に進むことだけを考えればいいので、泳ぎの沢はとても楽になる。

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焼嵓淵

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深いゴルジュを泳いでいく

 

焼嵓淵を通過したあとも美しい岩盤と釜が連続し、癒しの渓が続く。
一際美しい淵の奥へ歩を進めると、いよいよ核心の8mの滝。とりあえず、大休止。

リードはI村さんにお願いする。空身+ライフジャケットで釜を泳ぎ、左岸下部のおにぎりのような岩から取りつき登り始める。
なかなかスタンスが滑りやすいのか、苦労しているが決めたカムと残置ハーケンにアブミをかけておにぎり岩の上に立つ。
ここで一旦区切り、T柳が取り付く。やはり、ヌルヌルでホールドも乏しいので、かなりアブミ頼りに登る。
やっとこさおにぎり岩に上がり、ザックを引き上げる。

続いて後半部。おにぎり岩からクラック沿いを登るのだが、こちらもヌルヌルでホールドスタンスともに乏しいので、残置ハーケンにアブミをかけながら登っていく。
上部は多少斜度も緩くなるので最初の3mほどがいやらしい感じだ。
I村さnが確実に突破し、フォローで登る。引っ掛かりながらもなんとかザックを引き上げ無事核心突破。1時間半くらいかかった。

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核心の8mの滝

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I村さんリードのもと突破していく

 

一息ついてからは再び、美しい岩盤と釜を楽しみながら歩いていく。
この辺りは十皿という区間らしく、確かに広い岩盤に皿のような釜が続くといった感じだ。
そろそろいい時間なのでテントサイトを探しながら進み、トビワタリ谷を越えた河原に適地を発見し行動終了。

泳ぎあり、難しい滝の突破あり、癒しあり、盛りだくさんの1日だった。

晩御飯はペミシチュー。相変わらず油が体に染み渡る。
お腹を満たし酒を片手に焚き火を眺める。時折うつらうつらしつつも、いろいろなことを話して夜は更けていった。

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十皿

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本日のテンバ

 

タープを張っていたが結局その下で眠ることはなく河原の石の上で目を覚ます。どうやら少し寝過ごしたようだが、今日の行程は短いので気にする必要はない。
朝飯をかきこんで、適当に片付けをして、のんびり出発。 今日はフェルトわらじを装着。やっぱり慣れてる分、こっちのほうがしっくりくる。

今日もさっそく岩を縫うように淵で泳ぐことを強いられる。朝とはいえ気温も高いので苦にはならない。
ふとした河原も柔らかい朝陽に照らされとても綺麗。

時折、豪快な瀑布になったりするところもあるが、容易に越えられる。昨日よりも川幅一杯の穏やかなナメが多く、これまた癒しだ。

相変わらず深い淵が連続し、泳いでいくのが楽しくてしょうがない。水中眼鏡を着けて中を覗くと深さが実感できて楽しい。

進んでいくと出口に滝を持ったS字の淵が現れる。とりあえず淵を泳いでいき、滝の左岸に取りつくも、これがどうにも登りにくい。
二人で難儀しながら、ザックを外してT柳がなんとか登り、ザックを引き上げ二人とも突破。思わぬところで苦戦を強いられた。

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S字の淵

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明るい雰囲気のナメ

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美しく光が差し込む

 

S字も越えてあとは狼返しの滝くらい。左岸に入るゴルジュの支沢を確認し、狼返し。迫力はあるが突破は簡単。
難なく越えてそろそろ終わりか~と思っていると岩の上で甲羅干ししているマムシを発見。
久しぶりに見たが小さくて可愛らしい。

そんなこんなで、出渓地点の堰堤にぶち当たる。堰堤手前、左岸から入る沢を詰め上がり、自転車をデポした駐車スペースへ。

I村さんが自転車に乗って入山地点の車を回収しにいってくださる。今回は何から何までI村さん頼りとなってしまった。

駐車スペースはアブが五月蝿いので、国道を歩いて下っていく。ちょうど一時間くらい経ったころ、カーブの向こうから車が登場。
荷物を回収して、きなりの湯で汗を流す。こうして、頭の先から尻の先までずぶ濡れとなった週末夏沢は幕を閉じたのだった。