雪を纏った穂高を見に@蝶ヶ岳&常念岳

2017年 9月 18日 | 北アルプス, 積雪期縦走

11/5(土)-6(日)
蝶ヶ岳、常念岳

メンバー:I塚、I村、Ko

 

おおよそ1年前の山行です。
晩秋〜初冬の山行に、参考としてどうぞ。

 

ルート
8:20 三股駐車場 – 8:20 三股 – 10:15 まめうち平 – 13:30 蝶ヶ岳(泊)
05:50 蝶ヶ岳 – 06:30 蝶槍 – 07:25 2591m地点 – 9:20 常念岳山頂 – 10:25 前常念岳 – 13:15 三股駐車場

 

雪を纏った穂高を見たい。
今回の山行の目的はこれだけ。

蝶ヶ岳単品は日帰りで行ってこれるけれど、朝日に輝く穂高を見たくて山頂泊とし、ついでに常念岳も回る周回ルートとした。

登山口の三股駐車場は黄葉が美しい。
途中の車中からはサルの大群も見ることができた。

共同装備を振り分けて出発。
数日前に今シーズン初めてまともな雪が降ったらしく、どんな雪景色が見られるか楽しみ。

特にこれといった特徴のない道をサクサク登る。
力水で翌日までの水を補充し、恐竜の頭のような木を横目に歩いていく。
道が直線となるところがあり、木漏れ日と黄葉の木々が優しい。

登山道が南西へ向けて折れ曲がるところあたりから雪がちらほらと見え始める。
まめうち平ではベンチの上にもうっすらと雪が積もっていた。
休憩中、手形を付けてみたり、雪を丸めてみたりして今シーズン初の雪を楽しんだ。

11時過ぎ、道が西へ向けて大きく曲がるあたりから雪と氷が増し始める。
結構滑るところも。
注意すれば登れるとは思いつつも、安全を期してアイゼンを着用。
まさか11月頭から12本刃を履くことになるとは。
ちなみに、今回はどれくらい雪が深いかよくわからず(3人とも秋〜冬の蝶・常念は初めて)、厳冬期装備で臨んでいた。
スコップなどは最後までお荷物のままだったが。。
積雪量は場所にもよるが7-8cmといったところ。

まめうち平手前からは日陰だったものの、山頂が近くなると日が当たり始める。
山頂手前の水場は弱いものの流れていた。

大滝山への縦走路と合流するあたりから松本盆地への眺望が開ける。
程なくして山頂へ到着。
山頂は日当たりがよく、ハイマツの影くらいにしか雪はない。
やはり水を作れるほどの雪はまだなく、重い思いをしながら水を担ぎあげてよかった。

数日前に小屋閉めした蝶ヶ岳ヒュッテの向こうに槍〜穂高がどどんと広がる。
厳冬期の真っ白さはないものの、岩が結構見えている分、雪が岩の荒々しさを引き立てているように感じた。
一部だけ切り取ってみてみるとヒマラヤのようだ。
雲一つない秋晴れの下、ひとしきり撮影大会。
松本方面を見下ろすと三段紅葉も。

テントを設営してもまだ14時過ぎ。
特にやることもないので、妖精の池などを見に行ってみたり、ビールを開け始めてゆったり過ごす。
自分たちが到着したときに既に先客もおり、最終的に7パーティくらいがテン泊した。

夕方、夕陽が穂高の向こうに沈む。
穂高の稜線が黒い壁のよう。
南の遥かに乗鞍と御嶽が浮かぶ。
こちらは穂高の影となり早々と暗くなるが、乗鞍と御嶽はまだ光の中。
穂高の裏から伸びる光の帯が幻想的。
振り返れば槍の穂先だけが夕陽に輝き、こちらも幻想的。

酒盛りを再開し、トイレついでに松本の夜景を眺めたりしながら夜は更けていった。。

 

翌朝、ヘッデンを頼りに歩き出す。
蝶槍で朝日を迎えることを目標に。
前日と打って変わって雲が多い。
雲上となるかどうか、稜線はギリギリの高度だ。

蝶槍へ着いたところでいよいよ穂高の稜線が赤く染まり始める。
雲は多いものの、なんとかモルゲンロートに染まる穂高を見ることができそうだ。
奥穂、前穂、北穂、南岳の3000m超えの領域だけが染まる。
赤く染まるのは一瞬で、輝きは黄色・白っぽく変わってしまった。

次は自分たちが朝日を迎える。
と思ったら雲からなかなか太陽が昇ってこない。
最初は隠れていた槍が、先っぽだけ姿を見せ始める。
昨年歩いた横尾本谷〜槍沢がよく見える。
気温は-5℃くらい。想定していたほどは寒くはないかな。

陽も完全に昇り、山行再開。
200mほど下ってから登り返し。
松本盆地は雲海の下だけど、頭上は晴れ。
このまま雲海が上がってくるまでに常念まで行きたい。

山頂へ向かう登りで冬毛の混じった雷鳥と会う。
振り返るといよいよ雲海が稜線を超えようとしていた。
思ったより雲海の規模は大きく、乗鞍のほうまで遥かに続いていた。まさに海。

そんなこんなで常念岳へ到着。
裏銀座の山々も見え、あちらは穂高よりももう一段階雪が多いようだった。
雲海の向こうには富士山や南アルプスが浮かぶ。

ここでもひとしきり撮影大会を実施し、下山を開始。
雲海へ向かって下りていく前常念への稜線は、海へ向かう半島のよう。
前常念から下は大きな岩が多く歩きにくい。
その先は単調な道。
ずんずん下っていると小雨が降ってきた。
ところどころ紅葉が出てきたなと思ったら、三股へ到着。

 

いい天気の下、晩秋〜初冬の穂高の景色を堪能した。
よく整備された歩きやすい道で、小屋閉め後なので人も少ない。
満足度の高い山行となった。