冬山登山@後立山 爺ヶ岳東尾根

2017年 12月 20日 | 北アルプス, 積雪期縦走

山行名:冬山登山@後立山 爺ヶ岳東尾根
日 時:2017年12月8日(金)夜発~12月10日(日)
メンバー: I塚 Sモア  O崎 H田 N部 M車
9日:07:16鹿島-10:40JP(1767m)11:00-13:40P3(1978m)-14:55C1
10日:06:01C1-06:50P2-07:51P308:10-09:31爺ヶ岳中峰09:40-12:00C112:30-15:08ゴール地点

 

プレ冬から一週間、今回はI塚さんをリーダーに、飲み会の勢いで参加を表明したメンバーにM車を加え6人で後立山の爺ヶ岳を東尾根から目指す。メンバーの半分は風邪引きさん、どうなることやら。

安曇野IC付近の道の駅で仮眠。下界でも雪が積もっていて、冷え込みが強い。明け方に信濃大町へ移動し鹿島の集落へ。
ちょうどタクシーで来た2人パーティーが入山していくところだった。
我々も適当に準備して出発。

鹿島山荘の裏手から入山し、いきなり急斜に取りつく。うっすら雪が積もっていて少し嫌らしい。
ブッシュを掴みながら登っていく。息を切らしながら300mほど登るとようやく尾根がはっきりして多少傾斜が緩くなる。
M車くんによる地図読み講座を開催しながら登っていくと先行者のトレースも合流。ピンクテープも出てくる。

ありがたくラッセル泥棒をさせていただき高度を稼いでいく。概ね脛くらいだろうか。
ラッセルをしたがっているM車くんは少しもの足りなさそう。

なだらかな部分となだらかな部分が繰り返され、時折真尾根上はブッシュが煩くうまく交わさなければ ならないこともあった。

そうこうしているうちにジャンクションピークに差し掛かり先行者2人追い付いたので、お礼を言いながら、ラッセルを交代する。
それにしても男性(M平さん)のほうは凄い速さでラッセルしていて、ただ者ではない感を漂わせている。

ラッセルは脛~膝くらい。M車くんは水を得た魚のように楽しそうにラッセルをしている。
確かに深さはあるが、進むので程よく楽しい?ラッセルだ。M平さん、M車、Sモアで主にラッセルするが、折角なので、うちのパーティー全員で回してみる。
悲鳴なのかよく分からない声をあげたり、順調かと思いきやツリーホールに嵌まったりと悲喜こもごも。

なかなか賑やかなラッセルを楽しみながら進むとP3が見えてきて、適当にテント晴れそうなところを探す。
多少風は強いが、ジャンボが張れそうな箇所があったので行動終了。

さっそく整地をしてジャンボを設営。風があったのでブロックを積んで要塞にする。(正直掘り下げたほうが早かったが)
テントに潜り込んでからはお茶飲んだり豪華なアテを肴に宴会開始。
晩飯はO崎姐さんお手製のつくねに見せかけた鶏ペースとの入った鍋。量もがっつり、M車の焼き米雑炊も旨い。お腹を満たして幸せになって沈。風は収まったが明日はどうなることやら。

朝は4時起き。朝飯はM車作のチャーハン。なかなか斬新で旨い。
天気はなんとスカッ晴れ!俄然テンションが上がる。
テントはそのままに6時にアタック装備で出発。
ちょうど二人組も同じくらいにスタートのようだ。

いきなり急登から始まる。ラッセルも昨日と変わらず。二人組と団子になりながらラッセルを回していってP2へ。
この辺りで日の出となり薄紫から橙へと爺ヶ岳と鹿島槍が染まり移ろう様は筆舌しがたい光景。

   

少し進むといわゆるリッジが出てくる。今回は雪グサグサでスノーシューを履いたまま後ろ向きに段差を突破。なんら問題にはならない。

P1 への急斜は再びのラッセル。踏ん張って上へでると、爺ヶ岳を真正面から望むことができる。大町から見るように王冠の形になる。どしりとしていい感じだ。
ここで、二人組としばし歓談。東京のぶなの会の人たちだそうだ。どうりで強いわけだ。M車くんの共通の山仲間がいるとのこと。山の世界は狭い。

まだスノーシューで引っ張れそうなので斜度が出てくるまではとりあえず、進む。
斜度が出始めてからもラッセルが続くのでとりあえず、ブッシュが繋げるギリギリまで登る。

ピーク直下は風が強いのでアイゼンに替える。
ここからのラッセルが一番重かったが、アイゼンワカンで先行したぶなの会のトレースがあり、ツボでもそこまで苦にならない。最後までありがとうございます。

直下で全身に力が入らなくなったので、リーダーに行ってもらい、ピークへ。

飛び出して初めて剱岳がその雄々しい姿で迎えてくれる。
青空のもと、立山や日本海、槍ヶ岳や水晶が望める最高のピーク。
登ってきたみんなと握手を交わして登頂を祈る。
記録のとおり、爺ヶ岳中峰のボッコにはハングルが書いてある。
いろんなところをバックに写真を撮りまくる。笑顔が止まらない。

ひとしきりピークを堪能しても名残惜しい。次に北アの稜線に出れるのはいつだろう。
後ろ髪を引かれながらピークをあとにする。

デポしたスノーシュー等を回収して、斜度が緩くなるところで履き替える。
大町を眺めながらのんびり下るのもいい感じだ。しんどい登りも下りはラクラク。


1時間くらいでテントまで戻ってくる。
低気圧の前面だがまだまだ天気は持ちそう。
ここまで晴れるならテントの中でシュラフを干しておいたらよかった。

のんびりテントを撤収して、下りはじめる。
Sモアのスノーシューは前の留め具が不調てで微妙にめんどくさい。
今日はこれから下り坂の天気だが2・3パーティーが登っていった。
そのうちの1人がI塚さんが行きで落としたテルモスを拾ったという。注意しながらあるいていくて、無事に回収することができた。よかつたよかった。

さて、最後は取りつきの急斜。雪が薄かぶりで面倒くさそうなので、アイゼンを装着してピンクテープがついてるルートを下りていく。
なかなか急で緊張する。
掴めるとこは木の根なんかを掴みつつ、後ろ向きも交えながら慎重に下ろす。今回で一番のポイントだ。
ピンクテープは微尾根上についていて、なんとなく木をたどれるが、微沢を下りていたぶなの会パーティーは掴むもの少なくて大変そう。途中で尾根に復帰していた。

そんなこんなで無事に取りつきを下ろして車まで。一泊二日で非常に充実感のある山行で大満足。

信濃大町に戻り、薬師の湯で汗を流して、お馴染みの大町物産店いーずらで土産や酒を買い込む。
晩御飯はその近くにあるエベレストキッチンでネパール料理を食べてお腹を満たして、帰京の途についた。