夏合宿-沢班①@南紀 立合川(第4ゴルジュまで)
2018年 8月 13日 | トップ画像, 会合宿, 沢登り, 紀伊半島沢登り@南紀 立合川(第4ゴルジュまで)
日 時:2018年8月11日(土)~12日(日)
メンバー:K田、I村、O崎、I塚(記)
ルート:
8/11 9:10立合川橋上-9:30橋下、入渓地点-10:05よりきや淵滝-10:40第2ゴルジュ、はままつ滝-11:35銚子滝-11:40大滝11:55-12:45木馬道-14:05第3ゴルジュ、二俣ノ滝下-14:33旧木馬道-15:05沢へ復帰(巨岩帯を越えたところ)-15:25第4ゴルジュ、100m廊下-15:45泊地
8/12 9:30泊地-10:20第3ゴルジュ、二俣ノ滝上、巻き上がり-10:30旧木馬道-11:45旧木馬道ロスト12:10-13:20沢へ復帰(第一ゴル~よりきや間)-14:00北山川沿いの平坦路 引き返し-14:15入渓地点-14:35立合川橋上
会の夏合宿。
北アルプス笠ヶ岳へ至る小倉谷の予定だったけれど、天候が不安定でエスケープルートに乏しい小倉谷は諦め、南紀の立合川(たちあごう)へ転進。
それでも天候に不安があり、2日間で行けるところまで行くことにした。
道の駅おくとろ で前泊。
この時点では3日間で完全遡行するつもりだったのでゆっくり準備して出発。
15分ほどで立合川橋へ到着。
大滝まで日帰りで往復するパーティが後からやってきた。
この日は第4ゴルジュの先までと決めて出発。
遡行図には左岸の木馬道から下降する旨書いてあるが、右岸のハシゴを下りる記録もあったので、我々もハシゴを下りることに。
橋下からルンゼを下って立合川へ。
足場が悪く緊張した。
沢に浸ってクールダウンし、いざ入渓。
さっそくゴルジュっぽいところ。
ふじんぼ滝はさくっと左岸を巻いていく。
いくつか小滝があるが、ボルダーチックに上がって突破。
3m滝を過ぎると川幅が広がり、ゴルジュが終わったことがわかる。
第一ゴルジュは後で写真を見返さないと思い出せなかった。
最初なので記憶に残りにくかったのと、後のゴルジュが大変だったからだろうか。
よりきや淵滝は大岩を水がくりぬきつつある状態の滝。
右岸から巻いていく。
すぐに谷幅いっぱいのナメとなる。
晴れていたらキラキラしているんだろうなぁと思いながら、あいにくの小雨模様。
休憩をはさみ、第2ゴルジュへ向かう。
最初の滝は”はままつ滝”。
釜を泳いで滝に取り付くも、滝芯サイドの岩に足がかからず、滝芯に足を突っ込むも水流に負ける。
CSの下から上がることも難しい。
遡行図に直登する旨書かれていたので頑張ってみたものの、手が出ず左岸のテラスへ上がり、残置スリングを支点に懸垂下降。
続く7m滝は右岸の大岩を登る。
滑るので慎重に。
7m滝の直上にルンゼがあり、この後大滝から引き返してここを登った。
銚子の滝下にザックをデポし、大滝を見に行く。
廊下を泳いだ先には、巨大な釜と半洞窟状にくりぬかれた大岩、そして30m級の大滝が待っていた。
しばらく言葉も出ないほどの大迫力。
各々いろんな角度から神秘的な光景を楽しむ。
水量が少ないからだろうか、半洞窟状のところまで飛沫は届かず、ゆっくりと観ることができた。
ザックを回収し、目星をつけていたルンゼから木馬道まで巻き上がる。
浮石が多く、落石に注意を払いながら上を目指す。
石垣が見えてくると少し傾斜も緩み、ほっとしながら木馬道へ到着。
遊歩道として整備されているだけあり、ちゃんとした道で快適に歩ける。
滝の音が聞こえてくると、”大滝”の標識が。
ここから尾根伝いに下っていく。赤テープもあり。
狙い通り5m滝の先に降り立った。
続くヌタの滝は右岸のバンド下をトラバースして越えていく。
これで第2ゴルジュは終了。
一旦緩むものの、第2ゴルジュ前のような明らかな優しさはない。
だんだんと両岸の岩が立ってきて、第3ゴルジュへ入っていく。
早速、上部にナル谷からの30m滝が見えてきて、8mほどの滝に行く手を阻まれる。
右岸を巻き上がるが、ここの巻きは難しいと記録にあったので慎重にルート取りを思案。
少し引き返してルンゼを上がる。
倒木帯の上からバンド下をトラバースし、尾根に乗って石垣のある旧木馬道へ出た。
遡行図にある8m滝の下へ出ないようこのまま旧木馬道を辿り、崩壊により道が消えた先の尾根を越えたところからルンゼを下る。
この尾根のところに一つだけ赤テープがあった。
ルンゼには踏み跡は無さそうで、慎重に下っていく。
アブと蜂に付きまとわれ、気が散って嫌な時間だった。
懸垂下降はせずに沢へ下りることができた。
8m滝はおろか、その先の巨岩帯も越えて第3ゴルジュを抜けたところだった。
この日の行程のうちでは、大きな巻きはすべて終えられただろう。
またしてもすぐにゴルジュが始まる。第4ゴルジュへ。
遡行図にはほとんど巻くように書かれているが、水量が少ないため最初の2条4m、5m滝のみ左岸巻きで越えてから沢中を行った。
直線の廊下の先が直角に曲がっており、先が見通せない。
カーブの前も30-40m泳がないといけなくて、不気味な雰囲気。
滝の音が聞こえないのが救いか。
恐る恐る泳いで様子を見に行ってみると、カーブの先は同じような廊下が続く。
またしても直角カーブで先が見えない。
なんだか罠に誘い込まれているような気分になりながらも、進む以外の選択肢は無い。
内心ドキドキしながら次のカーブを曲がると、唐突にゴルジュが終わり、明るいナメ床が待っていた。なんだこの緩急は。
緊張が解け、泊地にたどり着いたという安心感に包まれた一行だったけれど、この一帯のナメ床がとても滑る滑る。
コントのような見事なコケっぷりを披露いただいたり、先行者の転びを見て注意しながらも同じところで2人転んだり。
この日の行動の最後の最後でやられてしまった。
第4ゴルジュを抜けてすぐのところに泊適地。
ザックデポして少し先まで見に行ってみたものの、ここがよさそう。
行動は打ち切ってタープを張ったり薪集めに精を出す。
流木がたくさん打ちあがっており、薪集めは楽だった。
夕飯は仙台麩入りの親子丼。
アテや油揚げのホイル焼きなども堪能し、流星群を見上げつつ焚火を囲んで夜は更けていった。。
翌朝、遡行は打ち切り下山することに。
ルートはどうしよう、となったが、東西どちらの稜線へ上がっても、車のところへ帰るにはそこそこ大変そう。
一方、沢を下降して木馬道へ出ればそのまま立合川橋まで至ることができ、比較的容易そう。
ということで沢を下降することにした。
第4ゴルジュを泳ぎ下り、入口の滝のところは懸垂下降。
第3ゴルジュのナル沢出合のところでは滝を下れず、往路と同じく巻き上がる。
往路より一つ下流側のルンゼを上がったが、こちらには踏み跡があり、正規(?)のルートだったようだ。
さほど苦労なく旧木馬道へ合流。
ここで「沢へ下ってからまた対岸の木馬道へ上がるのは面倒なので、旧木馬道を進み、あわよくば立合川橋へ至れればラッキー」という方針へ切り替える。
後で考えると、この判断はイマイチだったかも。
しばらくは道も明瞭で快調に進めたが、ある谷にぶつかったところで道を見失う。
そのまま進むこともできず、尾根を一段上がるとピンクテープを発見。道は復活した。
杉林の中に明瞭な道がついていたと思いきや、すぐに荒れた道になってしまったり、見失ったと思ったら一段上に道が現れたりと、少々てこずる。
風が通り涼しいナメ沢で休憩した後、道が藪に没していよいよ道がなくなった。
しばらく上下を探しても道はなく、諦めて沢へ下ることにした。
30m2本を繋いで1ピッチ懸垂下降し、2本のナメ沢が合わさったところに炭焼き窯の跡があった。
窯があるからには道があるだろうと思ったものの、ここでも道は見つからず、少しトラバースしてから沢へ下りた。
下りた先は第1ゴルジュ~よりきや淵滝の間。
ゴルジュへ下りないよう警戒していたのでよかった。
沢に浸かってクールダウンして、第一ゴルジュへ。
正直どんな滝だったか思い出せなかった”ふじんぼ滝”は、上から見ると大きな釜を湛えた立派な滝。
巻き降りてもいいけど、ここは飛び込むでしょう!!ということで飛び込む。
すごく怖いほど高くなく、滞空時間も適正(?)でちょうどいい飛び込み滝だった。
黒蔵谷で水没し、新調したTG-5の連射モードで各自の飛び込み模様を撮影してみる。
各々飛び込みの形にタイプがあり、見返してみると面白い。
自分も飛び込むが、着水時の衝撃でライフジャケットが壊れてしまった。
今夏最後の沢になる予定なので、切りよく有終の美を飾った感じか笑
立合川橋下まで来ると、昨日気づかなった吊り橋が下流側に見えた。
ここから立合川橋上まで歩道があるだろうと踏んでしばらく歩いてみたものの、一向にその気配はなく、どんどん立合川橋から離れていってしまうので諦めて引き返した。
後で立合川橋上で会った方から聞くと、もうしばらく先まで歩けば立合川橋上へ至る歩道へぶつかったらしい。まじかー。。
立合川へ戻り、往路と同じルートを辿って立合川橋へ。
立合川橋基部のコンクリへ上がるのが地味に大変だった。
最後のハシゴが狭く、ザックが引っかかって一段下がって、を繰り返してハーハー言いながら立合川橋上へたどり着いた。
入渓が地味に大変。立合川の印象かも。
無事帰還した安堵感に包まれたのもつかの間、左手の甲にヒルが吸い付いている。
急いではがして叩き潰す。
記念すべき(?)初ヒルにやられてしまった。
さらにスパッツにヤマダニがついていた。
吸血体制に入っており、石でたたいたりしても取れない。
殺虫剤で攻撃して(←後で調べたらあまりよくないらしい)いろいろ物理的に攻撃したらようやく剥がれた。
皮膚に吸い付かれた場合を想像すると恐ろしい。。。
最後の最後にまさかの初体験を経験できた。
また、薄手のタイツを履いていたため、山行中・泊地で自分だけアブから集中攻撃。
ふくらはぎがパンパンに腫れてしまった。。自分の足とは信じられないくらい太い笑
夏合宿として小倉谷へは行けなかったけれど、泳ぎ、滝、巻き、ルーファイ、ヒル&ダニ&アブをバランスよく経験できていい2日間だった。
1か月前の黒蔵谷で鍛えられたので、それと比べればまだ楽しめたくらいか。
帰ってから13日の雨雲レーダーをチェックすると南紀に時折活発な雨雲がかかっていた。
やはり2日で切り上げて正解だったと肯定しつつ、立合川を振り返った。
ルート図などはこちらへ→https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1552660.html