丹後 由良ヶ岳(自転車+無雪期ハイキング)

メンバー ハタヤ
期日 2005年9月16日(金)
地域・山域 京都府 丹後半島 由良ヶ岳
ルート 長岡京=亀岡=丹波=綾部=舞鶴=丹後由良荘〜由良ヶ岳東峰(585)を往復
(長岡京=丹後由良荘 はMTBを使用)
山行形態 自転車+無雪期ハイキング

コースタイム

2005年9月16日(金)

 1:23 長岡京
 1:58 老ノ坂トンネル京都側
 2:23-2:48 亀岡市内王将にて夜食
 3:48-6:20 丹波町ドライブイン「やまがた屋」、仮眠。
 8:20 西舞鶴駅
 8:20-8:35 西舞鶴駅前吉野家にて朝食
 9:33-9:43 国民宿舎「丹後由良荘」(30m)
 10:27-10:38 由良ヶ岳東峰(585m)
 11:09-11:18 「丹後由良荘」駐車場(30m)
 12:25 舞鶴市内国道27号分岐
 12:25-12:48 分岐付近CoCo壱番屋にて昼食
 14:31-15:57 道の駅「和」、仮眠
 16:46-17:12 道の駅「丹波マーケス」
 17:30 観音峠トンネル丹波側入口
 18:24 亀岡市役所前
 18:30-18:57 亀岡市内小売店「ジャパン」
 19:18 老ノ坂トンネル亀岡側
 19:44 長岡京

報告と所感

出発まで

思いがけない夏休みを金曜日にとることができた。
自転車と徒歩を組み合わせると近場でも思いのほか楽しめることを8月の武奈ヶ岳で教えてもらった。次に思い浮かんだのが舞鶴から少しばかり北上した、丹後半島の付け根のピーク・由良ヶ岳。この山頂から見下ろす由良川河口と宮津線の鉄橋の眺めはすばらしい。自宅から登山口までの距離は片道115km、往復230km。一見長そうだが鉄道沿いの国道9号〜27号沿いにルートをとればそれなりの峠越えは老ノ坂峠・観音峠の二つで済む。海に行けて展望も楽しめ初心者に優しくトレーニングにもなる。
今回の相棒はありがたくもお借りできたMTB。峠に何度か足を運んでみて、MTBの能力の高さに頼もしさを感じての出発となった。

9月16日(金)その1

仕事を終えたあとしばらく仮眠をとり1時過ぎに自宅を出る。今回は長丁場なのでヘルメットとヘッドランプを被って夜道を黙々と漕ぎ始める。第一の関門・老ノ坂峠は普段の要領で通過。亀岡市内も郊外に入り真っ暗な国道を流していると突如王将の看板が現れる。腹が減っては戦ができないとばかりに休憩がてら夜食を摂っておく。園部からは第二の関門・観音峠。苦しいと感じ始める前にギアを切り替えつつトンネルをくぐり抜ける。ここから日本海までは単調なアップダウンの繰り返し。快適に下って、国道9号と27号の分岐のある丹波町のドライブインに到着。自転車区間の難所を越えたので緊張が緩んだのか、強烈な眠気に襲われる。ちょうどよい区切りだししばらく寝ておこう。ドライブインの庇の下でツエルトをやおら取り出し、遊具に囲まれて全身ツエルトにくるまって眠りにつく。ポールも張らずに地べたに布1枚隔てて寝そべっているに過ぎないが、身体を夜露から守ってくれるツエルトが心強かった。無人駅を宿に転々と旅していた学生時代の記憶がよみがえってくるようだ。

9月16日(金)その2

目覚めてしばらくして地べたに転がっていることに気づいた。
気温は15度、肌寒い。一瞬モチベーションが下がるが難所を越えたとあっては行くほかない。コンビニで手にした熱い缶コーヒーで掌を温め、雨具に身を固めて霧の国道を走り出す。鉄道沿いに走れば大した登りはないと踏んでいたが、ところどころアップダウンが連続する。それなりに心して臨む峠よりも、不意に直面するこのような小さい難所が意外と精神的には堪えるのかもしれない。綾部は通過、舞鶴までは緩やかなアップダウンが長い距離間隔で続く。海に向けての長い下り、帰りが思いやられる。丹波を出て2時間後に舞鶴市内に到着。吉野家に入ってエネルギーをすかさず充填しておく。国道178号線の分岐から由良川沿いに走る。遮るものがないため海から吹き付ける向かい風が意外と厄介だ。由良川鉄橋が見えてきた頃左手に今日の目標である由良ヶ岳が見えてくる。登山口の「国民宿舎・丹後由良荘」は北近畿タンゴ鉄道の丹後由良駅を過ぎ、若干山腹沿いに走ったところにある。ここから山頂までは標高差550mの登山である。
自転車を倉庫の裏に隠し、ヘルメット・着替え・空気入れなどをデポし黙々と歩き出す。やはり平日の山は静か、誰にも会うことなく東峰へ。ふうっまずは山頂です。天気は快晴、由良川河口はもちろんその先の海岸線まで見渡せる。雪稜の方々と前回来たときはガスの中だったので、喜びもひとしおである。誰にも気兼ねなく展望を独り占めしながら行動食を頬張る。至福の時間が流れていく。
しかし喜ぶのはまだ早い。山を下りて115kmを京都まで漕ぐ仕事が残っている。展望と別れることを惜しむように下山。自転車に乗り換えて海水浴場に降り、掬い取った水をおもむろに嘗めて海に来たことを身体の中に受け止める。海沿いに走るときには欠かせない、学生時代から続けている僕の儀式である。
丹波を出発した朝6時は気温15度で雨が降り出しそうだった。12時近い現在、太陽が照りつけ気温は31度まで上がっている。9月とはいえ昼の時間帯は身体の熱ダレにも気を配る必要がありそうだ。舞鶴市内の国道27号分岐のCoCo壱番屋で昼食とする。山に比べて自転車だと栄養を補給できる余地が大きいのがある意味ありがたい。綾部までの登りはマイペースに。行きで使っていたギアより1段階負荷の低いギアに手が伸びている。やはり脚の疲れは隠せないようだ。綾部を通過、京都を出ての走行距離が150kmを越えて以降、尻の痛みが気になり始める。立ち漕ぎ、サドルの位置替えを意識せずとも頻繁に行っている。サドルと身体の接地部分に汗がしみ出して蒸れているのが一因だろう。「これ以上座っていると尻の皮が破れて脂肪が傷口からドロリと垂れてきそうな感覚」に襲われてきた。そろそろしっかり休んだ方がよいかもしれない。和知町内の「道の駅和(なごみ)」まで気力で漕ぐ。道の駅からは留守本部を引き受けていただいたマツダさんに連絡を入れる。ありがたくも自宅へのお誘いをいただいていたのだが、ここで緊張を緩めるともう帰れなくなる気がしたため丁重にお断りさせていただいた。目処が立って安心したのか、ベンチで横になって1時間半ほど泥のように眠りこける。
さて京都まであと50km。これから越えねばならない峠二つを前に心を穏やかに走り出す。休憩すると少しは体力も回復したようだ。観音峠は難なくクリア。通勤帰りの車で混む亀岡市内は鼻唄混じりにすり抜ける。亀岡のディスカウントストアで最後の腹ごしらえを済ませて仕上げの老ノ坂峠へアタック。やはりMTBの戦闘力はママチャリの比ではない。ギアにまだ余裕があるうちにトンネルの入口が見えてきた。あとは家まで流れるだけである。

おわりに

合計4時間の仮眠と1時間半の登山を挟んで、自転車には休憩を含めて約13時間またがっていた。未明にも眠ったため感覚としては1泊した感じなのだが、曲がりなりにもその日のうちに往復できたので一応日帰りできたことにはなるのだろう。
しかし驚いたのは自分の燃費の悪さである。王将・吉野家・壱番屋。いずれも、普段生活しているときは月1回も寄れば十分な高カロリー外食チェーン店の代表格。1日でそのすべてに立ち寄り普通盛り以上のメニュー(餃子2人前+味噌ラーメン、豚丼大盛、ポークカレー400g)をしっかり平らげ、スポーツドリンク・お茶を計4リットル飲み干しても帰ったときは空腹のあまり目眩がしそうであった。このごろのガソリンの高騰を憂えて人力にこだわって山に登ってみればかえって車を使うより高くついてしまった計算である。今回は完走のためにはなりふり構わなかったが、次回このような機会があるとすればこのあたりをもう少し切り詰める必要がありそうだ。
これに懲りず、ご近所の粋な楽しみ方を見つけていきたい。

 

遊具に囲まれて地べたで眠った。
丹波町ドライブイン「やまがた屋」

 

宿舎の裏にMTBを隠す

 

東峰山頂

 

撮りたかった風景。由良川河口(1)

 

撮りたかった風景。由良川河口(2)

 

丹後由良駅と由良ヶ岳

 

日本海を背に

 

美しく続く海岸線

 

国道から見る由良川鉄橋

 

では、帰りましょう


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