日本縦断第5弾 阿蘇、久住、英彦山、福岡の山(無雪期縦走)

メンバー シマ
期日 2005年9月16日(金)夜〜25日(日)
地域・山域 熊本県・福岡県 阿蘇・久住・英彦山ほか
ルート 馬見原〜阿蘇山〜久住山〜英彦山〜長府駅前交差点
山行形態 無雪期縦走

コースタイム

9月16日(金)晴れ

京都駅八条口20:25(近鉄高速バス ¥10800)07:35熊本交通センタ−

9月17日(土)晴れ

熊本バス8:15(¥1690)10:15馬見原10:20R265を北進する10:30松原10:50日の口バス停(530m)11:30菅尾小学校12:10そよ風パ−ク14:10展望所(710m26.7度)14:50高森峠(800m)15:30内山トンネル(580m)15:50R325分岐16:10月廻り温泉17:05鍋の平(700m)

馬見原(1.5)松原(16.5)伊勢(3.5)R325分岐(5.5)鍋の平C
27k 6時間45分

9月18日(日)晴れ

5:40 6:30日ノ尾峠(990m)8:35天狗の舞台(1564m)9:5阿蘇高岳(1592m)9:25中岳(1506m)9:55火口東(1200m)10:35仙酔峡駅(900m)12:15宮地駅(食事、コンビニ)13:514:30古代の里C(520m)

鍋の平(3)日ノ尾峠(3)高岳(2)火口東(2)仙水峡(7)宮地(7)古代の里C
登山道10k+14k=24k 8時間50分

9月19日(祝)曇りのち雨

6:15 7:10やまなみハイウェイ(710m)8:50県40号分岐(800m)10:10三愛高原(食事、コンビニ890m)10:3010:50登山口12:30岩井川岳分岐12:50扇ケ鼻(1698m)13:30西千里14:15久住山(1787m)14:40中岳避難小屋(土砂降り)15:0016:00法華院温泉(1300m)17:0017:15坊ガツルC(1250m)

古代の里(3)やまなみハイウェイ(10.5)三愛高原(1.5)登山口(3.5)扇ケ鼻(2.5)久住山(4)法華院温泉(1)坊ガツル
登山道11k+15k=26k 11時間

9月20日(火)晴れのち夜雨

5:50 7:40長者原(1000m)9:20飯田高原10:00四季彩ロ−ド10:40町田バ−ネット牧場13:40R210(450m)15:10玖珠市街17:00三日月の滝公園C(350m)

坊ガツル(5)長者原(20)R210(12)三日月の滝公園C
登山道5k+32k=37k 11時間10分

9月21日(水)曇り

6:25 7:00県48号8:55県43号10:50立羽田の景13:45R21014:45やすらぎの郷やまくに

三日月の滝公園C(10)県道43号(17.5)R210号(3)やすらぎの郷やまくに
30.5k 8時間20分

9月22日(木)晴れ

6:35 6:55(R496)8:10猿飛千壺峡9:30新谷分岐10:00轟、薬師峠分岐12:35薬師峠12:40(R500)12:50高住神社14:00北岳(1192m)14:30中岳(1190m)15:40(R500)16:10英彦山野営場(900m)

やすらぎの郷やまくに(2)R496(7.5)新谷分岐(2.5)轟分岐(7.5)薬師峠(0.5)R500(1)高住神社(1)北岳(0.5)中岳(4)R500(2.5)英彦山野営場
登山道5.5k+23.5k=29k 9時間35分

9月23日(金)晴れ

6:15 6:45北坂本分岐7:20宮元9:00油木ダム10:45赤村12:45香春町14:25宮原15:05採銅所16:25牛斬山

英彦山野営場(6)宮元(6)油木ダム(7)赤村(7)香春町(5)採銅所(2)牛斬山
登山道6k+27k=33k 10時間10分

9月24日(土)晴れ

6:15 6:45ピ−ク6257:25焼立山7:50赤牟田の辻9:25福地山10:25豊前越10:45山瀬越11:10尺岳平11:15尺岳11:20尺岳平12:00かえで峠12:35田代13:35あじさいの湯16:05大蔵橋17:45西鉄イン小倉

牛斬山(7)福智山(5.5)尺岳(3)田代(4)あじさいの湯(12)小倉
登山道15.5k+16k=31.5k 11時間30分

9月25日(日)晴れ

7:30 8:40門司駅10:00門司港駅10:45関門大橋下「若松屋」11:10人道入口11:20下関出口13:25長府駅前交差点

小倉(12)門司港駅(3)関門大橋(1)下関出口(8)
24k 5時間55分

報告と所感

9月17日(土)晴れ

 今回は9連休。本日は1日アスファルト歩きだ。第4弾の終了地点である馬見原から歩き出す。すると「九州のヘソ馬見原」と書かれている。やっと中間点ということになる。10k程度歩いた蘇陽町も「九州のヘソ」らしい。ヘソが2個は気味が悪い。少しずつだが標高を上げ阿蘇に近づいていく。小さな公園の中に「そよ風浴場」なる看板があるのだが、ワシの頭は「そよ、風俗嬢」と読んでしまった。あらゆる能力が衰退していく中、煩悩だけは発育しているようだ。高森峠を越えた所でやっと阿蘇が顔を出す。峠から下りきった国道の分岐点に商店があるはずであったが…ない。結局この日は買い物が出来ず、予備の食料に手をつけた。700mの鍋の平に着いたのは既に夕方、慌てて100円3分の温水シャワ−を浴びた。阿蘇五岳の東端、根子岳の麓にあり牧場内ののどかなキャンプ場だ。一人でスパゲッティ−を食べていると、名古屋から来たライダ−の大野さん(42)が声を掛けてくれた。「豚肉焼いてるんだけど一緒に食べませんか」…初日からご馳走を頂いてしまった。なかなか良い体格で、やさしい顔のおにいさんだった。一人で旅をしていると、こうして声を掛けてくれることが何よりもうれしい。そしていろいろな人と知り合えることが、旅の楽しさであり目的の一つとなっている。明日は熊本においしいラ−メンを食べに行き、またココに泊まるそうだ。よく話し、よく食べ、よく飲んだ。豚肉最高。ご馳走様でした。

9月18日(日)晴れ

 出発前に「これから阿蘇ですか」と声を掛けられた。お互いにどこかで見た顔だと思った。前回に扇山の小屋でお世話になった八代の東島さんだった。なんと偶然に同じ場所に宿泊していたらしい。奥さんと二人でのんびり旅行を楽しんでいるとの事。今日はワシと同じコ−スで阿蘇をピストンするらしい。しばし再会を喜びながら出発。歩き始めてすぐに道を数頭の牛が塞いでいる。そろそろと横を通り過ぎる。しばらくして阿蘇の山々が真っ赤に染まりだす。日の尾峠からは背の丈以上のすすきの薮漕ぎで、全く下は見えず何度か足を踏み外しそうになった。すすきの葉で手足は傷だらけだ。薮漕ぎの途中で東島さんが追いついてきた。写真を撮ってもらい、天狗の舞台までは先に行ってもらった。九州の山の話を色々聞かせてもらった。また、どこかで合えれば…そんな話しをしながら分かれた。頂上付近の大地はのんびり稜線散歩が楽しめる。高岳からは一変してガレた登山道になる。噴火口へはすぐである。道路は噴火口のすぐそばまで通じており、まさに観光地だ。一瞬で山気分はそがれ、車と一緒にアスファルトを下る。噴火口付近で写真を頼まれたカップルに「頑張ってください」と車で通りがかりに声がかかる。牧草地帯に阿蘇の赤牛が放たれている。とても旨そうだ。風に草がなびきとてものどかな風景だ。標高が下がるにつれ暑さが増し、宮地の町でファミレスに飛び込んだ。田んぼの中の一直線を北上すると古代の里へたどり着く。キャンプ場に風呂があることは事前にわかっていたので、楽しみに500円を支払い風呂に飛び込んだ。なんと、個室の風呂である。しかし、なんとユニットバスであり、ガックリ。近くの温泉は200円で入浴できたらしい、さらにガックリ。

9月19日(祝)曇りのち雨

 今日はアスファルトを15k歩いた後にコ−スタイム5時間程度の山道になる。キャンプ場の北側から一気に標高を上げ、ミルクロ−ドへ出る。東へ1k程度歩くと、やまなみハイウェイへ出る。標識には阿蘇山頂まで30kと書いてあった。日本を代表する高原道路の一つであろうこの道を歩いているのはワシだけだ。ここから登山口まで12k、少しずつだが標高をあげていく。朝の牧草地帯はさわやかなワシをさらに輝かしてくれる。本来なら北に久住山、南に阿蘇が見えるはずだが、やや曇り気味で阿蘇の姿は最後まで拝めなかった。午前8時頃、ゆるやかな上り坂に差しかかったとき、「島さんですか」と声をかけられた。鍋の平らで豚肉をご馳走になったライダ−の大野さんだ。「よく判りましたね」と尋ねると「こんな所歩いてる人いないですよ」との事。今回二度目となる再会劇であった。「車に気をつけて」と言い残しかっこよく去って行った。三愛高原に辿りついた頃に、空はどす黒い雨雲で覆われていた。先へ進むかを散々迷ったが、少し多めの水を持ち出発。しばらくは緩やかな林道を進み、登山道らしく道が狭まると一気に急登となり、しばらくで扇ケ鼻へ出る。ハイカ−も多く、手頃な山であるが、いくつもの頂があり、奥にも深く、今度来た時には大船山、黒岳方面への縦走路を辿ってみたいと思う。西千里浜に水場がある。そこからは一息で久住山である。山頂は大勢のハイカ−でにぎわっている。若いカップルが登頂を喜び合っていた。南に見える高原と、他の三方に広がる山々が美しい。雲行きが怪しくなってきたので中岳へ急ぐ。避難小屋の近くで大雨となり、あわてて小屋へ飛び込んだ。雨漏りもひどく、とても汚く気味が悪い。小雨になったので傘を差し出発。中岳はまたの機会に…30分程度、沢沿いの急坂を下ると坊ガツルが見える。思っていたよりも大きい高層湿原だ。遠くからの風景は山の中のオアシスといった感じだろうか、谷の底に大きな草原があるような感じである。しばし坊ガツルを眺めながら沢沿いを下ると法華院温泉にたどり着く。500円で入浴が出来る。山小屋としても立派で美しい建物だ。汗を流し、裸でベランダへ出て坊ガツルを眺めた。至福のひと時である。雨上がりで湿原が生き返ったようだ。風が強く、草がなびき、良い景色だ。500mmのエビスビ−ルが400円だった。安い。3本も買い込み1k程度下っていくとテント場に着く。少し余裕があれば、1日滞在し、ビ−ルを飲みながらぐずぐずしていたいなぁ。そんな場所である。

9月20日(火)晴れのち夜雨

 テントから出るとボンヤリと温泉宿の灯りが見える。月明かりがさし、お月見でもしたい夜だった。名残惜しい坊ガツルを後にし少々上りながら東側から北側へと巻き道気味に進み、沢沿いの登山道を下っていくと長者原に着く。登山道は前回の台風の土石流による大量の流木でひどい状態であった。長者原の茶店で朝食を頼み、話しを伺うと、土石流は茶店まで押し寄せたらしい。1000mの高原道路を北へ向かう。九酔渓を進む予定であったが、通行止めになっている。しかたなく、1本西側の県道に廻り北へ向かうことにする。この道もなかなかさわやかな高原道路である。しばらく歩き、町田バ−ネット牧場のレストランに立ち寄った。料理といったものは無く、肉を選びバ−ベキュ−するのが唯一のメニュ−である。1番安い豊後牛のスタミナ焼きを注文、これが絶品であった。量、質ともにすばらしくおいしかった。ほんまに旨い。どんどん標高を下げて350mを切った頃、玖珠の町へ着く。少し遠回りになるのだが、玖珠の町の西端に三日月の滝公園Cがある。温泉もあるので本日はここで終了。夜は雨に降られむしむしとした寝苦しい夜だった。

9月21日(水)曇り

 昨日に遠回りした道を戻るのも味気ないので田舎道を北東へ向かい玖珠市内から北へ向かう県道に合流することとした。途中、きじ車の里や童話の里を通る、のどかな田舎の風景だった。県道に合流し峠を1つ越えて下っていくと奇妙な石がそびえ屏風のようになり長い距離に連なっている。「立羽田の景」なる景勝地らしい。少しずつ標高を下げて250mくらいになり、国道212号に出る。国道を歩いていると、取締りをやっている警察官に捕まった。職務質問である。「ちょっと君、何処から来た」「何処へ行く」「今日は何処へ泊まるのか」…ワシはいたってさわやかなつもりであったが、とても不審に見えるらしい。事情を説明した。「仕事はなにをやってるのか」「そんな気楽な仕事ワシもやりたいわ」と好き放題いわれた。すぐそばの高台にある「やすらぎの郷」なる温泉付の宿に泊まることにした。素泊まり3800円、温泉あり、部屋は個室で2段ベット×2台+6畳がありバス、トイレ、冷蔵庫、冷暖房も完備している。縦断の旅へ出て初めての宿泊まりとなった。ここから取締りをやっている警官が見える。警官によく見えるようにテントを干し、洗濯物を干し、お気楽なワシをぞんぶんに見せつけてあげた。温泉につかり、心も体もリフレッシュした。ワシの泊まった部屋は「おもいぐさ」なる名前の部屋だ。宿の主人が優しい人で、よく話しをしてくれた。息子さんが自転車で日本1週の旅に出ていて、現在は石川県あたりを走行中らしい。人のやってることは、なんでも羨ましいと思ってしまう。コンビニで買ってきた「よかろうもん」なる焼酎を畳にころがり呑んだ。気がつけば畳の上で寝てしまっていた。このあたりの田舎は何も無いところだが良い宿だった。

9月22日(木)晴れ

 歩き始めてすぐに英彦山へ向かうR496の交差点へ出る。峠の状況が知りたかったのでバスを洗っていた運転手さんに問いかけた。特に問題なしとの事だった。再び歩き始めると「もうすぐそっちの方へ行くので乗っていくか」と声を掛けてくれた。当然断るのだが、有り難い話しであり、ちょっとうれしくなってしまうのだった。轟なる集落から薬師峠の林道に入ると、人にも車にも一度も会うことは無かった。日影のダ−トの道は心地よい。峠を越えて少し下ると国道に出る。西へ10分も進むと高住神社があり登山口となっている。ずっと急登であるが1時間程度で北岳につく。一端下り、上り返せば中岳である。5分程度で南岳があり、1200mの最高峰であるがわさわざ行く気もせず、ここをワシの山頂とする。英彦山からは、昨日お世話になった山国や、これから歩いていく北九州の山が一望できる。少しずつ街へ近づいているようで、嬉しいような悲しいような気持ちである。木陰で少々涼んで山頂を後にした。下りは穏やかな参道を歩き、R500に出て少し上り返すと英彦山野営場だ。9月は予約が要るらしく、誰もいないキャンプ場は水が出ず、仕方なく近くに水を汲みに行く。沢水の給水施設を見つけ、再び野営場へ戻った。寂しいので大きなキャンプファイヤ−施設の前にテントを張り、1人ボッチでキャンプファイヤ−をした。キャンプファイヤ−という限りは当然のことながら出し物が必要であり、大きな声で「ここにしか咲かない花」を歌った。よけいに寂しくなった。

9月23日(金)晴れ

 英彦山の旧の参道を下り田園地帯のバス停で休憩をしていると、犬の散歩のおっちゃんに出会った。「おはようございます」と声を掛けると、いろいろと聞かれた。犬の名前を聞くと、「ボロ犬や」「ボロ犬のコッキ−ちゃんや」と教えてくれた。「コッキ−ちゃん元気にしとるかなぁ」…赤村の交差点を過ぎると、一挙に交通量が増し大型トラックが頻繁に通るようになる。いよいよ北九州に近づいてきたんだ。香春町(かわらまち)を過ぎ採銅所の駅の側から福智山山系の南端付近、牛斬山への登山道がある。登山道横の沢でTシャツを洗い1時間程度登ると山頂だ。
標高580m、草原の平らなった山頂である。もう誰も来ないだろうと山頂にテントを張り、素っ裸になり標識に服やパンツや靴下を干し、ちょっとしたツリ−を作った。大きな石の上にマットを敷き、担ぎ上げたビ−ルを呑みながら日暮れを待った。南側と東西の3方向には街の明かりがつき始めた。遠くは小倉や門司方面の町明かりが見えているのだと思う。北側は明日歩く福智山への縦走路が見える。九州縦断で歩く最後の山である。夜が深まり、夜景はますます美しく、寒さを感じるようになるまでいつまでも眺めていた。虫たちの大きな鳴き声を聞きながら眠りに着いた。2日連続で少々センチメンタルなワシであった。

9月24日(土)晴れ

 昨日見る限りは草原の気持ちよさそうな縦走路であった。しかし、現実はとてつもない薮である。途中まではススキの薮であったが、念仏坂なる急な坂を下る頃には薮は深く、3種類のトゲを持つ草達が絡み合い、まともに歩けない。福知山までの2時間30分がずっとそんな状態であった。半袖半ズボンの小学生スタイルのワシは、当然のことながら手足は傷だらけである。不快で気力も無いが、薮の中で休むところも無い。やっとの事で福智山に辿りついた。誰もいない縦走路が一変してにぎやかな山頂であった。展望は360度で、なかなかの山である。さらに北へ向かうか下山するかを散々迷ったが、縦走路を北へ向かう。ここからは木立の中の平坦で快適な道が続く。ハイカ−も多く、全く違う山へ来たようだ。尺岳平から下山し小倉を目指す。途中、あじさいの湯に立ち寄り3日ぶりに汗を流す。汗を流してからまた歩くのは嫌なものだが、一端さわやかな気分となり頑張れる。あと10k程度で小倉に着くであろう田舎町で、ゴッツイおばちゃんを見た。タクシ−を止めて何かを乗せようとしている。刃のついたままの電動の草刈機である。油の入ったタンクを助手席に突っ込み、刃の方は後ろのガラスに当たっているのだ。そうして、オバチャンも乗り込んだ。タクシ−で草刈に出かける事も、ドロの付いた草刈機をタクシ−に乗せる事も、小市民であるワシに出来ることではない。オバチャン強し。恐るべしオバチャン。そして、もうすぐオバチャンになってしまう雪稜のお姉さん達の顔を思い出さずにはいられなかった。くわばら…くわばら…。夕闇が迫る頃、小倉駅前のビジネスホテルに飛び込んだ。風呂場には朝露で濡れたままのテントを干し、洗濯をして、ザックのものを並べて乾かした。コンビニへ夕飯を買いに行き、戻ってきて部屋を開けると強烈な草の臭いがした。
九州最後の夜であった。

9月25日(日)晴れ

 小倉から海岸沿いの道を門司へと向かう。関門海峡には大型貨物船が行き交っている。門司港駅付近の海岸沿いのストリ−トでは、ワシの九州縦断の終わりを祝ってくれるかのように「パレ−ド」が行われていた。ここから先は廃線となった線路沿いを歩き関門大橋を目指す。とうとう「山下清」になった。大橋下の「若松屋」なる店にはいった。ロ−ドマップに「○○のおいしい店」と書いてあったのを思い出したからだ。ワシは念のために持ってきたマップを広げて確認をすると「チャンポンのおいしい店」と書かれていた。迷わず「チャンポン定食」を注文した。しばらくすると次から次へと客が入り、そしてお持ち帰り客までが沢山現れ注文をしていく。みんな「おでん」を買っていくのだ。どう考えても「おでんのおいしい店」である。一人ぼっちのチャンポン定食であった。エレベ−タ−で地下50mまで下りて、関門海峡を歩いて渡る人道を行く。向こう側に出てエレベ−タ−を上ると本州である。有名な壇ノ浦だ。強風に吹かれながら海岸通りを北上する。長府駅前。この交差点を今回の旅の終了点とする。
バスで歩いてきた道を引き返しマリン温泉に寄り、海が真横にある露天風呂につかり九州、四国、関門海峡を眺めながら思いにふけった。再びバスに乗り下関に戻り、夜行バスで大阪へ向かう。一つの節目である九州が終わった。まだ、この旅の10分の1程度しか歩いていないのだが、一つの節目とは思えぬほどの長い旅だったように感じる。 九州縦断完歩。


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