京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | ハタヤ、ニシムラ |
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期日 | 2006年3月19日(日)午後〜20日(月) |
地域・山域 | 新潟県 頸城山塊 |
ルート | 笹倉温泉〜アマナ平〜焼山北面台地〜賽の河原〜影火打ルンゼ1680m を往復 |
山行形態 | 山スキー |
文責 | ハタヤ |
15:45 京都駅
16:00 京都東IC(京都東〜福岡 有料道路使用)
23:00 笹倉温泉、就寝
4:05 起床
5:25 笹倉温泉 出発
7:20 九十九折れ林道最上部(850m)
8:20 アマナ平(1000m)
9:40 焼山北面台地北端(1250m)
11:00 賽の河原を横断(1350m)
11:40 溶岩地形を横断(1420m)
12:10 影火打ルンゼ取り付き(1630m)
12:20-12:30 影火打ルンゼの下部(1680m)
13:10 溶岩地形(1420m)
13:50 賽の河原を横断(1330m)
14:30 焼山北面台地北端(1250m)
15:30 アマナ平(1000m)
16:30 九十九折れ林道最上部(850m)
17:25 笹倉温泉
日本離れした景観で山スキーヤを魅了する頸城・焼山北面台地を横断して火打山に突き上げる影火打ルート。今シーズン残雪期が始まる前に日帰りでやれないか機会を探っていた。
条件がよければ、3月の日帰りも決して無謀ではない、出発まではそう思えた。
16時に京都を出発。
新潟県内に入るとあられ状の雪がガラスを叩きつける。県道に入るとうっすら雪が。
焼山温泉から笹倉温泉への最後の登りは吹雪に。積雪は5cm程度か。乾いた新雪に車のタイヤも滑り気味で早々に緊張を強いられる。
笹倉温泉には23時到着、明日はどうやら楽には行かせてもらえそうにない。
4:05 起床
曇ってはいるが星空が瞬いており、予定通り出発することにする。
5:25 笹倉温泉 出発
笹倉温泉の駐車場向こうのバリケードから早々にシールを装着。くるぶし下の新雪ラッセル。林道取り付きの橋の積雪は1.5m程度か。
九十九折れ林道は折からの積雪で路面もろとも斜面の一部と化している。時折氷化した箇所はスキーを担いで直登する。
7:20 九十九折れ林道最上部(850m)
林道の終点より高く登ってしまったようで、892ピークの西をトラバース状に下る。
8:20 アマナ平(1000m)
正面左側のやや急な斜面に取り付き台地に乗り上げる。ラッセルはくるぶし上程度に深くなる。
9:40 焼山北面台地北端(1250m)
あいにくの天気で、焼山と火打山はガスの向こうにある。ここからしばらくは緩い登り。
11:00 賽の河原を横断(1350m)
影火打ルンゼの入口に向けて東に進路を取ることを意識しつつ、そろそろ溶岩地形の「賽の河原」を横断せねばならないなと気づいたころには1400m近いところまで標高を上げてしまっていた。
ここまで登ってしまっては垂直の壁を跳ばなければ横断は不可能。標高をやや下げたあと、雪庇を崩しつつ滑り込めるポイントを1350m付近で見つけ、底に降りて斜登高で対岸に乗り上げる。
11:40 溶岩地形を横断(1420m)
賽の河原を横断したのがかなり高度を上げたあとだったので、もう一箇所溶岩状地形を横断せねばならなかった。
先ほどの賽の河原よりは規模は浅いが、同様に雪庇を崩して滑り込める箇所をあざとく見つけるほかなかった。
12:10 影火打ルンゼ取り付き(1630m)
溶岩状地形に挟まれた痩せた台地をまっすぐ進めば影火打に向かうルンゼの取り付きに導かれる。この頃から吹雪が強さを増してくる。
12:20-12:30 影火打ルンゼ下部(1680m)
午後から天候が回復することを見込んでいたがかえって状況は悪化。吹雪の密度が濃くなり視界が次第に利かなくなってきた。
このルートの核心部といわれる影火打ルンゼの谷の乗り換え(2100m)までは見ておきたかったが、帰りに賽の河原を横断する体力はどうしても温存しておかねばならなかった。
心残りではあったがルンゼに少し取り付いた1680m地点で退却を決意する。(後日Web上の記録などに目を通していると、影火打の滑降ルート−1815ピークの西方のルンゼ−の1本北東のルンゼ−1815ピークの北東−に入っていたことがわかった。GWに登っている事例もあり間違いではないが、ベストなルートを選択したとはいえなかった。)
12:30滑降開始。傾斜が緩いのか、雪が水気を多く含んでいるせいなのか、スキーは終始重かった。
13:10 溶岩地形(1420m)
往路に通過した溶岩地形を横断するつもりで一旦谷底に滑り込んで登り返そうとするが、雪壁の胸まであるラッセルに突破は困難と判断。
ところで地形図を冷静に読むとこの地形は下ってやり過ごせることにようやく気づく。溶岩地形を過ぎた1350mまで滑り込む。
13:50 賽の河原を横断(1330m)
高度を下げれば賽の河原の横断はシールを装着するだけでたやすかった。
台地の北端から見て正面に見える火打山の北面ルンゼに向けて直進した箇所、標高1250mから1310mまで伸びる尾根の西側をへつって河原と交わる箇所が最も横断が容易であることがわかった。
Web上の報告をあとで読み返すと、いずれも横断は1箇所、無駄のないルートで影火打を目指していたようだった。
14:30 焼山北面台地北端(1250m)
台地に別れを告げるときになって晴れ間がのぞき始める。火打山の全容も姿を現す。ここで写真撮影会。それにしても恨めしい。
15:30 アマナ平(1000m)
緊張が緩んだせいか、若干アップダウンにはまる。池ノ平に入り込んで焼山北面台地の展望台・空沢山をファインダにおさめておく。
16:30 九十九折れ林道最上部(850m)
楽をしようと焼山川の右岸沿いに進もうとするも、急峻なトラバースに足をすくませる。結局登り返して愚直に林道をトレースするのが最も早かった。
九十九折れ林道の下りは取立山の林道を急峻にしたイメージを抱いた。
17:25 笹倉温泉
橋を渡って行動終了。
林道上の雪はすっかり溶けていた。橋から笹倉温泉の間でも、雪の多い時期は林道沿いに進まなくても相当の距離をショートカットできるようだ。
21:00 焼山温泉駐車場
笹倉温泉で暖まり、糸魚川の街で買い出しをして翌日に備えることにする。
天候に阻まれて敗退という結果に終わったが、随所でのぞいた読図の甘さがそのままピークを遠ざけてしまったように思う。
冬とも春ともつかないこの時期、読図やルートファインディングの精度は残雪期とは比べものにならないほどシビアに求められる。要は、ピーカンの残雪期の経験だけを頼りに3月の火打日帰りを目論むなどまだ時期尚早な試みだったということだ。
頸城は入山が比較的容易ながらも、深い課題を与えてくれる渋い山域だ。
この山行ではね返されて、もう少し、もっと頸城を知りたくなった。1泊してでもかまわない。このルートは再度訪れる価値が十二分にある。
体力と滑降、読図のスキルを鍛えてまた挑戦するときがあるだろうか。