京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | アサノ、ハタヤ、ヤマグチ、ニシムラ、カノウ、イナノ、タケムラ |
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期日 | 2006年6月30日〜2006年7月2日 |
地域・山域 | 大峰 白川又川 岩屋谷 |
山行形態 | 沢登り |
6:40車デポ地からスタート−6:50入渓−8:20滑滝を左岸から−9:00CS滝−10:40 40m大滝−14:50雌滝−16:00雄滝−雄滝上16:50
4:00起床−6:20出発−森が広がるところまで往復−テント場8:10発−11:20車デポ地
岩屋谷は何年か前に訪れたことがある。雌滝、雄滝の美しかったことが目に焼きついている。そのときはろくに記録も写真もとっていなかったこともあり、もう一度かれらと再会しその雄姿を記録と写真にしておきたかった。夏合宿前の山行でもあり、ここなら足慣らしにももってこいだ。今回は夏合宿参加の若手たちも集まってくれた。楽しい山行になりそうだ。梅雨時で雨の予報が続いていたが、雨といってもピンキリ、小雨が降ったりやんだりだろう。大きなブルーシートで泊まり場での雨対策だけしておけば十分とみた。雨を心配するメンバーとはうらはらに私は快適な山行を予想していた。
夜中にいくらか雨が降った。空は重く今にも泣きそうであるが、私たちのためにそれをじっと我慢してくれているようにも見える。そんな空も岩屋谷出合いの着く頃には薄日を感じるくらいにまで回復していた。
6:40 岩屋谷の橋から崩壊した林道?を進みその末端から入渓する(6:50)。水量は落ち着いている。大雨は降っていないのだろう。釜をもつ小滝をいくつか越えると(414m)谷は左折し薄暗いゴルジュの様相を呈する。8:20釜をもつナメ滝が現れる。左岸に細く古いロープはかかっている。ヤマグチ君がリードする。落ち口付近がやや悪い。続いて3条の滝を右岸から巻くと10mチョックストン滝が現れる。9:00カノウ君が右岸から取り付きチョックストンの下をすり抜けてリードする。ゴルジュの幅が狭まり8mの滝をかける。左岸から巻いた。
ゴルジュが開けてくると巨石帯となり、岩の間をすり抜け、荷揚げをしながら進む。10:00左岸、そして右岸からも谷が入りまたゴルジュの様相を呈する。すだれ状5mを右岸から、滑滝を左岸から巻くと40mの大滝が現れる(10:40)。どこにもきちんと弱点はあるもので滝横右岸に急なルンゼが伸びている。途中でザイルを出し、滝上まで抜ける。左岸にスラブをもつ滝はハタヤ君リード。水流の下をくぐる独創的なルートどりできれいに抜けた。
12:30また巨岩帯となる。岩に根をからませた巨木が何本もある。生命力を感じる。とりらけ大きな岩が谷をふさぐ。岩の両側から水流が流れ落ちている。13:20右岸スラブをアサノリードで越える。残置ハーケン1本あり。水に濡れたスラブを慎重に体重移動で抜ける。
目の前が開け、雌滝(60m)の登場である(14:30)。なんと美しい。レースの衣をまとった姿が美しい女性そのものである。幅広く水流を散乱させ、夏のにわか雨のようにやさしい。雌滝のすぐ横右岸のルンゼを登り、さらに腐植土の詰まったルンゼを慎重に登って滝上に出た。ザイルを使用しひとりずつ慎重に登った。ルンゼを詰めるとすぐ眼前に雄滝が現れる(16:00)。雄滝は水流を凝縮し、激しく流れ落ちる。雄雄しい姿だ。100m以上という記録もあるがザイル2ピッチ80mとしておこう。雄滝も右岸から巻く。ルンゼを詰め、右側の弱点を見つけて斜上する。まだもう少し滝上まで足りないのでさらに木を登り滝上に達する。雌滝よりすっきりした巻きルートだ。
滝上をテント場にする(16:50)。滝上は美しい岩床が続く。焚き火をして楽しい夜を過ごした。イナノさんの豆乳ナベがおいしかった。雄滝にいだかれておだやかに夜が更けていった。
翌日、1時間ほど遡行した。ミニゴルジュで泳ぎ、ハルゼミの合唱の中まだ新緑を感じる森の中に身を浸してまた、テント場へ戻った(8:10)。テント場から左岸を登り、尾根上に立つ。明瞭な踏み跡がある。尾根上は激しい風を雨。今までの静けさはなんだったのか?まあ下山には支障ない。ときおり不明瞭な部分もあるが特に問題なく岩屋谷車デポ地に戻ることができた。11:20
今回は7名という大人数であったが」みんなスムーズに動き、予定通りの行動ができた。それも積極的にリードしてくれた若手メンバーのお蔭だ。かれらの成長は目を見張るものがある。次の夏合宿が楽しみである。
「え〜アサノさんも来るんですか〜。今回はかなり厳しいですよ。」
なんていわれる日もそう遠くないのではなかろうか。
いや、まだまだオッサンは負けへんで〜。
先週の奥ノ深谷に引き続き、この土日は紀伊半島に沢登りに出かけた。
行先は大峰の白川又(しらこまた)水系の「岩屋谷」。短いながらも途中に高さ70mの雌滝(めだき)と高さ130mの雄滝(おだき)を内蔵する、紀伊半島のあまたある谷の中でも銘渓に数えられる沢という。沢登りのグレードならば3級+〜4級-程度の、中級者向けにあたる。
メンバーは、いつも刺激を与えていただいているアサノさんをリーダーに、女性2人を含めて7名。
金曜、職場の歓迎会を途中で切り上げて、あわただしく京都を発った。
22時半に京都駅に集合、車2台に分かれて出発。23時40分木津駅。大和郡山〜橿原間は京奈和自動車道が暫定的に無料開放中、80km/hで巡航できる。橿原からは国道169号線を快適に南下するのみ。思ったより早く2時前に「道の駅上北山」に到着。車とテントに分かれてで3時間仮眠。
7月1日は5時起床、白川又橋で林道にスイッチ、少しばかり走って7時前に岩屋谷の脇の橋に車を停めて入溪。
しばらく水が涸れた河原歩き、小一時間のウォーミングアップを終えたところで5mナメ滝のへつり。ここはヤマグチ君リード。足場が細かくぬめっており早々に緊張を強いられる。残置の縄が精神安定剤となる。
苔でぬめって陰鬱と思わせる区間もあれば白い岩と突き抜ける空で開放感を味わわせてくれる箇所もある。岩に落ちる山ツツジの花びら。風流なり。
雌滝の手前までは巻かずに登れる滝が続く。1箇所僕がリードで左岸から右岸へ滝裏をくぐって抜ける。抜け口が思った以上に狭く、膝をおもむろに岩に打ち付けてしまった。
核心の雌滝の手前、10mCS(チョックストン)滝。右岸を巻いたが取っ掛かりの壁が取り付きにくかった。アサノさんが空荷でリードでザイルをフィックス、僕たちはザイルを引っ張る「ゴボウ」で登ったが、自分がリーダーならここはどう攻略しただろうか。スリングを投げ縄して引っかけて強引に登るか、空荷でとにかくチャレンジしてみるか、手前に戻って大高巻きか。リーダーならばこういった渋い場面での迅速な判断が求められるだろう。
やがて岩屋谷のハイライト、雌滝70m、雄滝130mへ。
雌滝が「やさしく降り注ぐ」ならば、雄滝は「蕩々と流れ落ちる」印象。滝の落ち口まで足を運んで記念撮影。この短い谷に、見上げるだけでは全貌を掴めないほどの大滝が内蔵されているとは。これらの滝はいずれも右岸から確実に巻くことができた。ただ雄滝の巻きの最後はかぶり気味の壁を乗り越す必要があり、少し緊張した。
雄滝を巻き終えた落ち口の近くでちょうどよいテン場を見つけ、幕とする。行動を開始してから10時間が過ぎていた。
沢装備を解き、焚き火用に薪を集め、ツエルトを設営、夕食の準備に分かれる。木の枝が豊富にあるのでツエルトの設営には困らない。ザイルを木で固定してツエルトを被せ、スリングとカラビナで位置を調整する。ようやく設営のしかたにも慣れてきたのだろうか。夕食は、女性2人がこしらえてくれた「豆乳鍋」。豆乳をベースにショウガで味付け、餃子、ラーメン、豚を放り込んだもので空腹を十分に満たしてくれた。
焚き火に火を点し服を乾かし、おつまみをつまんで談笑すればやがて緊張も穏やかな満足感に変わっていく。
心配していた雨もない。森の冷気を浴びながら、暗闇のなかに溶けていく。
4時起床、6時20分出発。装備の大部分を幕営地にデポして、上流を散歩に出かける。
大滝を内蔵しているとは思えないほど岩屋谷の上流は穏やかだ。森に囲まれた幕営適地が随所に。昨日の滝の落ち口近くで泊まるのもよかったが、森に抱かれるシチュエーションもまたよい。小一時間歩いたあと、引き返す。すっかりお楽しみモード。沢から離れるのを惜しむように釜にわざと身を浸していく。
稜線に詰め上がれば、幽かな作業道を見失わず歩いていくだけでよい。途中強烈な雨に見舞われ閉口。沢の中でなくてよかった。小峠山付近から地図を頻繁に取り出し現在位置をしつこく確認、11時10分に車を置いた地点にドンピシャで降り立った。
岩屋谷。今年最初の本格的な沢だ。アサノさんの話では、岩登りの沢で、4級で強そうで、楽しみは楽しみだがどうなるんだろうかと思った。さらに天気は梅雨らしい天気でいけるんかいな。今日は京都まで出向いていかなくて楽だ。去年何度も来た下北山の道の駅に着いて仮眠する。次の日。雨はとりあえず大して降っていない、入渓できる!良かった。初めは何ということもかったが次第に本格的になっていく。いくつかの滝は直登で行けたがなかなか微妙なところもあり何個所かでロープを出したりして、さすがに緊張感のあるところもあった。リードの方ご苦労さんでした。しかし、アサノさんはよくあんなとこ登るなー、僕はまだ修行が足りんなーと思った。午後になって雌滝につく。でかい。すごい。みんなあほみたいに、滝に打たれたりしてあそんだ。そして雄滝はさらにでかい。見上げるようにしないと上が見えない。すげー。どちらもしんどい巻きだったが滝の上についてそこをテント場とする。なかなか爽快なテント場。焚き火もできて最高。酒も上手いし、やっぱ沢はこうでなくっちゃ。イナノさんの豆乳なべも美味しかったしご馳走様。次の日は上流へ散歩に行く。美しいぶなの穏やかな森が広がっていて緑が美しい。きっと紅葉も凄くきれいに違いないだろう。また秋に行きたいなーと思った。尾根へ登って尾根沿いに帰る。風がつよくなり、雨も強くなり嵐になった。下ってからは晴れた。ちと渋いがいい沢でよいメンバーで楽しかったです。一緒に行ったみなさんありがとうございました。
合宿前、唯一リーダーと行ける沢。敬愛してやまない一代沢男・アサノさん、いつだってこの人について行ったら間違いない、そう確信できる山行だった。滝の処理、巻きのルートファインディング、全てが勉強になり、経験になる。けど、いっつもぱらぱら雨を降らす、小雨男ぶりはちょっとうんざり。いや、冗談ですヨ!(笑)
岩屋谷も素晴らしい沢だった。下流部は屋久島を思わせるゴーロと滝の連続で、日々の人工壁でのトレーニングがいかんなく発揮できた。見たことの無い大きさの雌滝・雄滝はただただ惚けて見上げるしか出来なかった。そして、上流部は白神を思わせる優雅で上品なイメージを受けた。1泊2日でこの規模の沢に出会えるとは思ってもいなかった。さすがは大峰。岩屋谷最高!
ちょっと渋い滝のリードも出来たし、合宿で一緒に行くメンバーの雰囲気もわかった。ていうか、いい加減この下品で最高な顔ぶれも慣れたもんだ。次は飯豊だ!!
蛇足だが、雄滝はきっと直登できる。誰か、水中メガネ持って登攀に行きません?
100m近い滝を間近に見るのは初めてだった。聳え立つ豪快な壁の終点に雌滝、それを苦労して越えれば雄滝だ。一日かけてようやくたどり着くご褒美のような滝。車を降りたらそこにあるような観光化された滝ではない。雌滝のそばには老獪な栃の木があった。滝の大きさに負けじと伸びるその背丈には素直に畏怖の念を抱いた。
思い出深いのは雄滝の上に設けたテン場である。すぐ目の前に目もくらむような落差があると思うと少しこそばゆいような気分にさせられる。その日一日の疲れを焚き火で癒すのは誰にも味わえる贅沢ではない。
沢の上にはブナの原生林があった。ヒグラシの鳴き声とエメラルドグリーンの光を味わえるのは沢登ならではだろう。整備された山道を歩くのではなかなか味わえない光景である。鹿の骨を拾った。鼻先が完全に欠けてしまっているが、標本にしよう。「2006年7/3岩屋谷」と書いて飾る。見るたび今回味わった沢登りの爽快さがよみがえるに違いない。
沢には何度か行ったことがあるが、沢泊をするのは今回が初めてだった。前からずっと沢泊の山行にいきたいと思っていてやっとデビューができた。
私がこの山行にエントリーしようと思ったきっかけは、MLに流れたリーダーアサノさんの熱い言葉「若者よ、大志をいだけ!!」だった。この言葉に興奮しどんな沢なのか興味を持ち、絶対行ってみたいと思ったからだ。調べてみると、雌滝・雄滝と呼ばれる迫力のある美しい滝がある。技術的にはレベルは高く、登攀が多く、滝の巻きはかなり恐そうで、荷揚げをしたりと、とても難しそうな沢だと印象を受け不安だった。また体力が重要だと感じた。MTGでリーダーアサノさんに聞くと、ひいているよりは行ってみたほうがいい!!とあたたかいお言葉をいただき、メンバーみんなと一緒に頑張ろうと思った。
今日の目的地は雄滝の落ち口までである。少し林道を歩き入渓地点へ。ハタヤ君とヤマグチ君を先頭に進んでいった。岩がゴロゴロとした河原をしばらく歩くと90度に左に曲がる。そこには記録で読んだ一番最初の核心部分、ナメ滝のへつりがあった。足もとはぬるぬるでスタンスは細かかった。取付が一番難しく感じた。少しハングみたいなっていてザックがひかかり怖かった。少し時間がかかったが、そこさえ抜けるとあとは落ち着いて見るとホールドとスタンスがあった。ヤマグチ君がはってくれたザイルのおかげで安心して突破することが出来た。
次に現れた滝は大きなチョックストーンだった。右岸からカノウ君がリードで突破。それからも滝や巨岩を越えていく。そして次にハタヤ君がルートファインディングした滝は左岸から取付き今までに体験したことのない滝裏を通って突破した。よつんばいになって必死に滝裏から抜け出そうとする。滝裏出口でザックにちょうど強い水流があたりバランスが崩されそうになる。
そして次に現れた滝は右岸のスラブを登って突破する。このスラブはツルツルで下部には残地ハーケンがひとつあった。そこにスリングをかけザイルをとってアサノさんがリード。すごい〜!!空気が少しピーンとしていたような気がする。
次に今回メインの滝の一つ目雌滝の登場だ。今までにみたことのない迫力のある素晴らしい滝だった。空から恵みの水のようにキラキラと降ってくる感じだった。滝の近くまでいき身体全体で雌滝を味わう。右岸のルンゼをつめて雌滝を巻く。今回の巻きの中で一番緊張した箇所だった。ルンゼの上部の足元は枯葉が多くグサグサで全体重をかけるなんて怖くて出来ない。そーっと次の足へと体重移動して一歩一歩進んでいく。そこを越えると次は雄滝だ。雄滝は雌滝とは違い岩肌ずたいに雄大に流れおちる。雄滝も右岸から巻く。雄滝の巻きは雌滝と違い少しは快適だった。上部は木の根っこをつかんで登ったりとガバが多く楽しく登ることができた。
巻きを終え少し下ると雄滝の落ち口の側に素敵なテン場があった。ツェルトの張り方を教わった。焚き火が一日の疲れを癒してくれた。
テント場に荷物をデポして上流へ。1日目の沢の様子とはまったく違い、のんびり歩いたり泳いだりとゆったりした遡行だった。荷物を回収し仕事道へあがり下山。
今回の沢でたくさんのことを学んだ。沢泊の生活・リードで滝を越えたあとのザイルワーク。
沢は立ち木で支点を取ることが多く、シングルでザイルをセットしトップはプルージックでセカンドを確保しやすい位置まで降りてくる。トップはザイルの中を自由に行き来することが出来る。よくこの方法は沢で使うとリーダーから教わった。
初めての沢泊。まずツェルトの張り方を教わった。とてもシンプルでストックが無くても木と補助ロープ(遡行中に使用するザイル)とスリングとカラビナを使えばいとも簡単に。素晴らしい!!なるほど!!また、沢泊でなくてはならないのが焚き火だ。このなんともいえない火のぬくもり・光と色。そしてそれをみんなで囲んでの団らん。会話はつきず時間があっという間にすぎてしまう。焚き火のおこしかたについては次回やってみたい。
焚き火で身体をかわかし、ポッカポカのままシュラフに入ればとても快適だった。寝床は背中のところにちょうど石があったが少し身体を横にむかせればまったく問題なし。ぐっすり寝ることができた。
沢泊は縦走などの山行泊と一味も二味も違い、とても原始的なものを感じた。また日帰りの沢とは比べものにならないぐらい楽しい!!一度しか体験していないが沢泊にはまった。今年は日帰りではなく泊りの沢にたくさん行きたい。メンバーに感謝!!