京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | 葛根田川支流南白沢 |
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メンバー | L:I野(文)、K藤、H内、T岡、N田 |
期日 | 2008/9/2 |
山域・ルート | 葛根田川支流南白沢 |
山行形態 | 沢登り |
雨は降らなかった。いつもどおり川をみると昨日よりもかなり水量は減っていて色も綺麗だった。5時半に出発して滝の上温泉の駐車場へ車を置きにいった。いつもの橋の上から再度川をみた。若干多いかもしれないが穏やかだった。5時40分駐車場を出発して、きた道を戻り鳥越の滝のトンネルをぬけたところの橋から南白沢に入った。右岸をしばらく進み、トポどおり一つ目の堰堤を過ぎたらあたりから沢に入渓した。
ゴーロ帯を進み堰堤5つほどこえてまだかまだかと思いながら進んでいくと入渓点から約1時間半でF1に出合った。途中2箇所、右岸よりナメ滝として入ってくる支流が素晴しく、つまらないゴーロ歩きの中で印象的だった。
トヨ状7メートルF1は、水量は多く岩肌はツルツルしてそうで登れそうにない。滝の右側のルンゼを登れば落ち口へ出れそうだった。落石に注意しながら数メートル登り、そのまままっすぐ登りつめるかと思ったが、少し左へトラバースして枝を掴みながら登ったほうが安全そうだった。枝を掴んで上がるとそこには残置スリングがあった。トラバースのが滑りやすそうだったので補助スリングをセットした。そこから少しクライムダウンして落ち口に下りて小滝を超えて進むとF2が現れた。F2は15メートル幅広で、左側をシャワークライムで登ると書いてあった。落ち口の水量が多く怖そうだ。巻こうかと思ったがN田さんが行けそうだということでザイルを張ってもらうことにした。ハーケン、ナッツ、ハンマーを持っていってもらった。下部はガバで簡単に登れる。核心は落ち口。落ち口に今にもぬけそうな残置ハーケンがあった。水圧はすごくて足を滑らせてしまったらおしまいだ。ビレーをしていてとても緊張した。抜けたときは一安心。落ち口最後にガバがあるが、それをみつけるまでは緊張した。F3・F4は知らない間に抜けた。F5手前の廊下はへつって超えれそうだったがめんどくさいので
泳いで抜けた。そしてこの沢の核心部F5が現れた。10メートルの釜を持った滝。左の壁からハーケンを利用してトラバース気味に登るらしい。ここも岩肌はツルツルそうで落ち口が怖い。時間がかかりそうなので巻くことにした。左のルンゼを数メートル登りトラバース。藪をかき分けて一つ目のルンゼを少しおりて谷をみるがまだ先に滝が見えたので、そのままトラバースして次のルンゼから下りて谷に戻った。ようやく谷は穏やかになりゴーロを進むと花森沢出合に着いた。
トポどおり本流を進むと8メートルのF6に出合う。ここは右側から登れそうだが、かなりのシャワークライム。少し登ってみるが顔にビシャビシャとかかり前がみえにくい。直登するか悩んだあげく時間のことも考えて巻くことにした。枝をつかみながら数メートル登りトラバース。そして最後のF7は、滝の左側から簡単に登ることができた。後は登山道まで地図読みだ。最初の1150地点の三俣をどうするか、登山体系・いわての沢本にも真ん中を進むと書いてあった。千沼ケ原湿原へいきたかったので左へ進みたかったが、N田さんの意見と時間のことも考えて下山に近い右を選んだ。小滝を超えていくとすぐにまた二俣となった。これも登山体系どおり右をとり進んだ。高度をどんどんあげていくとナメがあらわれた。そして軽い藪となり笹藪をかき分けながら進むと草原に飛び出た。お〜!!すばらしい。テン場に最適。のんびりゆっくりしたかったが先をいそがなければいけなかったのが残念。しかし、ここからがつらかった。登山体系にもいわての沢本にも書いてないおそろしい藪がまっていた。いとも簡単に登山道にでると書いてあったのに・・・。沢幅は狭くなって笹薮がひどくなり、藪を漕ぐこ
と約30分で木道の登山道に飛び出た。トポに一言もかいてなかったから心構えができてなかった。沢は涸れることなかったので登山道出合いで水をくんで乳頭山へむかった。
池塘をながめながら穏やかな登山道を進み12時過ぎに乳頭山頂上に着いた。田沢湖や大白森山荘がみえたりして広大な景色を堪能した。駐車場までは一度も休憩をとらずひたすら歩いて14時に下山した。お世話になった滝の上温泉で汗を流し、気になっていたジェラート@松ぼっくり(店名)を食べて、大釜駅15時半T岡さんと別れた。そして我々4人は仙台で牛タンを食べて、N田さんと別れて夜行バスに乗り込んだ。
ゆっくりする時間がなく慌ただしかったが、事故無く無事下山できてよかった。京都に戻り南白沢を検索すると、我々が巻いたF1やF5を登ってる記録があった。また1150地点の三俣を真ん中進み、次の二俣(1220地点)を右へ進んだが左へいくと藪こぎが無かったらしい。
こうして無事4日間の山旅・沢旅を終えた。今回は、お天気に振り回された。転進先を考えておくべきだったが、どこも東北地方は雨だった。最終日、早池峰登山と沢を選択する際、沢へ行きたい気持ちもありいろんな意味でリスクの高い沢を選んでしまい余裕のない山行となってしまった。リーダーとして最終判断する立場として反省しなければいけない。4日間お天気に振り回されたが、珍しいメンバーと山をとおして交流できたことはとても嬉しかった。葛根田川継続遡行は近々リベンジしよう。