京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | 吾妻連峰 前川大滝沢 |
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メンバー | L:I野、H内 |
期日 | 2008/9/24 |
山域・ルート | 吾妻連峰 前川大滝沢 |
山行形態 | 沢登り |
京都に戻って思い出したが、春に東北へ行く際に調べたことがあって行きたいと思っていた谷だった。すっかり忘れていた。準備をしていると東京から2パーティやってきた。一番に取付きたいと思い急いで準備をし、なんとか最初に入渓することができた。入渓地点からナメが広がり少し進むと15m滝に出会う。取付いたH内さんが登れないということで巻くことになった。私自身も登れるかどうか確かめないといけなかったのに、厳しいのかと思いH内さんの後ろをついていってしまった。これが失敗でドンドン草付きをのぼっていくH内さんを追いかけた。泥壁のすべりやすい草付き、少しおかしいなと思いH内さんを呼び止めるが進んで行ってしまった。かなり高度があがってしまい、一歩滑ってしまったら下まで落ちてしまう。やはり大巻きは間違えていたようで谷をふりかえると後続が滝を越えてるのがみえた。
先に進んで谷にもどることが出来るか判らない状況だったので元に戻ることにした。滑り落ちないように枝をつかみながら緊張した。無事戻り、小さくへつりながら越えた。よかったよかった。滝を越えるとナメや釜を持った小滝が続く。問題になるような滝はなく快適に進むと滑川大滝があらわれた。すごい迫力。今までみた滝の中で一番だった。右岸より高巻くが踏み跡がしっかりついていて問題なし。大滝を越えたあたりで東京パーティが休憩していた。我々もここで1本休憩をとった。
大滝の後も川幅いっぱいのナメや小滝が続いてあきさせない。右からホラ貝沢が流れ込み、ナメ・小滝は続く。小滝も微妙なバランスのへつりがあったりと緊張する箇所もあった。345地点の二俣をすぎてしばらく進むと登山道と交叉する。上部は登れない潜滝やゴルジュが続き、藪こぎ1時間半があるだけで先にすすむ沢屋はあまりいないだろう。登山道交叉地点に荷物をおいて40m潜滝をみにいって終了とした。あとは快適な登山道をくだり滑川温泉へおりてきた。H内さんが気になっていた山奥の姥湯温泉へいって汗をながして、喜多方ラーメンを食べ京都にもどってきた。帰りの車は爆睡だった。
今回も目的の沢へいけなかったが日帰りハイキング・沢を楽しむことができた。磐梯山の素晴らしい地形・足湯がとてもよかった。印象深い。大滝沢のナメ・小滝は関西にはない大きな谷で本当に素晴らしかった。今シーズン、東北の名渓をたくさん遡行することができた。来シーズンは日帰りではなく泊り沢をしたいなぁ。
朝起きると我々のテント横に大宮ナンバーの車が停車。同じ沢を遡行するとのこと。慌てて出発の準備を整える。天気は晴れ。やっと気持ちいい朝の天気となった。橋の下流側から入渓。最初からナメが美しい。やがて大岩が転がる隙間を縫って進むと釜の前へ。先で左に屈曲していて滝のある気配。右岸をへつって滝が全容を現す。フリクションを効かせて登れなくもないがなんとなく右岸のバンドを伝って巻きルートに進入し高巻きのいやらしい草付の斜面を左上した。I野さんが心配そうだが行けると思いそのまま進む。これが後から思うと失敗だった。どんどん上にあがってしまい、ホールドの無い、落ちたら止まらなさそうな微妙な斜度の面に入り込んでしまった。I野さんが追いついてきて、「ここは全て戻ろう」とかなり緊張した様子でいつになく興奮していた。僕のルートミスだ。すみません!心配をお掛けしました。戻って滝横のナメを登ると・・・・・なんだ簡単だ。全く調子抜け!なぜ登る判断をしたのか???
後から来たパーティは先にさっさと行ってしまっていた。気を取り直し前進する。ナメが続くようになり、両岸の草付の斜面と相まって美しい。しばし見とれながら快調に進む。やがて滑川大滝の下に着いた。落差120mの大迫力。しばらく見学したあと登りに掛かる。右岸の尾根状の斜面に立派な巻き道が付いている。なんなく簡単に大滝の落ち口に出る。眼下に遡行してきた沢筋と背後の山並みが綺麗。紅葉に染まった中、さらにナメと10m前後の滝を快適に越えていく。先行パーティに追いついて少し先で休憩。空はいつの間にか曇が多くなり肌寒い。どうも今年の沢の天気には恵まれない。この先も滝の間隔が適度に離れては続き飽きない。途中釜が深く両岸草付の厄介そうな滝が出てきた。
一番先行している4人パーティが左岸の岩壁を慎重に取り付いている。我々も後に続く。釜から5m程度の高さだがこの沢で一番緊張した。ホールドが細かく、足場も外傾していてうまく体重移動ができない。でもなんとか時間を掛けてI野さんのアドバイスを受けて無事通過。緊張から開放され秋色に染まるナメを再び堪能する。右岸に面白いものを発見、温泉の湧出口だ。硫黄泉で、透き通ったお湯が湧いている。縁に硫黄の白い湯の花がひらひら揺らめいている。関西ではお目に掛かれない。さて終盤に近づき、やがて二俣。ここで少し休憩。右に進路を取り、単調になった沢を詰めていくと登山道に出た。さらに潜滝まではここから5分位で着いた。岩の割れ目の中を豪快に落ちている。締めくくりにちょうど良い滝だ。ここで大滝沢の遡行を終了。下山は十数年前に稜線から下りたことのある道だ。また少し天気が回復し日差しも出てきた。快適な樹林下の道を緩やかに下っていく。
大滝の展望台からは右の斜面を下り滑川温泉へ。前に来た時はもっと古そうな気がしたがもう記憶が曖昧になっている。この温泉には行かず、まず車に戻って姥湯温泉に行くことにする。白い硫黄泉の露天風呂は風が強く寒かったが風情がある。温泉の建物は新しく、いまいち。帰りは米沢経由で行こうということになった。米沢といえば米沢牛。I野さんとどの店に寄ろうかと思っていたらI野さんはいつの間にか眠っている。起こさないで米沢は通過し、喜多方で名物のラーメンを食べ、長い道のりを帰京した。
今回の山行では、今までで車での一番移動距離の長い記録となった。なんと走行距離1600km余り。I野さんはそれにしても元気だなぁ。会で一番山に行っている方は違うと実感しましたよ。でも、面白い山行いつもありがとう。沢では助けてもらっていつも感謝しています。まだまだ知らない場所にいろいろ行きましょうね。今度東北に行くときは葛根田川リベンジにしよう!いや中津川も。