京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動◆京都岳連加入◆
京都から、四季を通して楽しめる比良山系。一般道からピークを目指すのもたのしいが、比良にもいくつかのバリエーションルートがある。堂満ルンゼ、堂満南壁・北壁、この中谷アルファルンゼである。中谷支流であるが、クロトノハゲまでの高度差は400メートルで、水流はほとんど無い涸滝が続いている。稜線まで、素晴らしいルンゼが突き上げているのである。
国道でJR志賀駅を通り過ぎ、道を左に曲がり大谷川を渡り細い林道を登って大堰堤に到着する。堰堤横の広場に駐車スペースがある。ここからは、眼下に美しい琵琶湖を望むことができる。取り付きまで、難しい所はない。
取り付きから、一番最初の滝からは、水が滴り落ちているがホールドが豊富なので、手袋が濡れるが辛抱して通過する。この後は、いくつかの小さな簡単な滝を通過していくと、15メートルの左手側にガリー、右手側に被り気味のクラックの走った滝が現れる。残置も無いので、左のガリーにルートを取る。ここも、気温の上昇のため嫌に濡れている。そして、このあたりからルンゼ内の雪も深い所は、膝下くらいになってきた。濡れて重たいザイルを引き摺りながら、右上するチムニーに到着。見るからに狭いチムニーであった。チムニーの天井からは、良く本からのツララがアルパインムードのテンションを上げてくれる。チムニー内は、ホールドに乏しくアイゼンを軋ませてジリジリと上がっていくと、出口が大きな岩で塞がれているので、身体を右に振り乗り越す。出口は、ベルグラと落ち葉のミックスでホールドを決めるのに苦労した。この後、ルンセは右、左へと小さく蛇行して、最後の20メートルの涸れ滝に到着。傾斜は強いが、下部はホールドも豊富でありバンバンと思い切って登ることができる。中間部からは、ベルグラが張り詰めているので、バイルのブレードで叩き落しての登攀であった。登り切ったら、太腿位までのクスグスした斜面を登り、稜線に飛び出して終了である。この後は、登山道を利用して下山であるが、林道に出てからクルマの置いてある大堰堤での、登り返しが辛かった。途中からは、ヘッドランプを点けた。やっとのことで、クルマに到着。眼下には、冬の琵琶湖の夜景が光っている。見上げると星空、、、、美しい。アルパインやってて良かったと思う瞬間であった。
(中川ピン)
コースタイム・取り付き11時―稜線15時25分〜15時45分―大谷川大堰堤17時30分〜帰洛
地図・2万5千図・比良山
資料・日本登山大系10・関西日帰り沢登り