京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動◆京都岳連加入◆
これから書く内容は2002年末に1度だけ、それも途中まで登った経験によるものです。登攀日の天候は晴れでビレイ中もほとんど寒さを感じないですむ程でした。そのあたりをご了承の上、冬の屏風の一例として報告します。
1ルンゼ押出しからしばらく(20分程度だったと思います)はルンゼ右手の樹林帯を膝下程度のラッセルをします。自分達はトレースを利用させて頂きました。続いて完全に雪に埋まったルンゼの河床伝いにT4尾根末端を目指します。自分達は途中からトレースを外れ右の小尾根上に出ました。一応、ささやかな雪崩への危険回避のつもりでした。
夏の1ピッチ目ビレイ点を右手に見送り(雪で完全に埋まっています)さらに20mほど登ったところから登り始めます。雪面上でビレイします。右上する柔らかな雪のランぺを7、8m登ります。ここから岩の部分を登ることになりますが(写真2)自分にはかなり厳しく、氷化した雪や薄い氷にダブルアックスを決め登りました。このあたりを抜けると夏は2、3m程左に移り凹角の左手を登りますが、冬は左に移らずに目の前にある被った2、3m程のスラブを人工で登ります。スラブの抜け口には水平方向に直径10cm弱の木の枝が這っています。木の枝にアブミを掛けます。スラブを抜けると雪が適度に詰まりダブルアックスを利かすことが出来る小ルンゼが15m〜20m程(測量していないのでロープスケールを元にしていますので誤差を考慮して下さい)続きます。ピッチはしっかりした木で切れます。2ピッチ目は5m程右上してT4尾根の雪稜上に出ます。T4直下のチムニーは雪が詰まっていますが右上スラブは多少のバランスが必要となるところです。そこを抜けT4に到達します。写真3はT4直下の雪稜です。
ほぼ完全なA1です。1箇所ほど、フリーを要する部分があります。この垂壁は楽しくユマーリング出来ます。(写真4)
出だしの2〜3m程の右トラバースがフリーになります。 残置スリングが垂れていますので素早く掴むと楽になります。続いてA1で登ると大テラスに続いている左上の階段状の凹角に合流します。この凹角内は詰まった雪を拾いながらダブルアックスが使えます。ピンもあり思い切って登れる楽しい部分でした。但し、蒼稜ルートは大テラスを経由しないルートのようです。写真5は大テラス直下です。
以上、自分達の最高到達点は大テラスですのでここまでしか紹介出来ません。写真から判って頂けると思いますが非常に天候には恵まれた日の記録になっています。