南紀 大塔川黒蔵谷(沢登り)

メンバー フクザワ、ニシムラ、イナノ、タニグチ(亀岡山の会)
期日 2006年7月28日〜30日
地域・山域 南紀 大塔川 黒蔵谷
山行形態 沢登り

報告と所感(イナノ)

7月28日 京都駅22時集合→本宮道の駅3時半着仮眠

 朝、Nちゃんから携帯にメールが入った。仕事で京都へ帰ってくるので泊めて欲しいということだったが、残念なことに晩発で沢へいくことになっていたので21時に京都駅で会うことにした。4ヶ月ぶりの再会、彼女はとても元気だった。長野で6月末頃まで山スキーをしていたようだ。ちょうど21時に石徹白川初河谷へ沢登りに行くカクタニパーティが集合していた。天気予報によるとこの週末は北陸方面は雨ということで、転進先を大峰・台高方面の沢で検討していた。最終池郷川本谷に決定しカクタニパーティが出発するのを見送り、リーダーフクザワさんを待った。時間通りにフクザワさんは来てNちゃんと別れ、木津駅でニシムラ君をピックアップし仮眠場所本宮道の駅に向かった。

7月29日 

 5時に起床、下準備をして出発。天気予報通りの快晴。6時半頃林道黒蔵谷出会と書いた看板の前に到着。そこに車をとめて踏み跡沿いに下りていくと大塔川に合流し、少し下流に進むと黒蔵谷の入渓点がある。入渓すると(7時)大きな淵が現れ、ひと泳ぎすると水量は多く大きな釜がある鮎返滝に(7時20分)。2年前にフクザワさんはこの滝を右岸から簡単に巻いたようだ。今回は滝の左側から登ってみることにした。しかし上部がぬめっていてやらしいということで戻ってきた。残念だがここは素直に右岸から巻くことにした。
 滝を越えると両岸が立ち沢は廊下になり、泳ぎやへつりの連続になる。水は透きとおっていてエメラルド色でとても綺麗だ。泳ぎの沢は今回が初めてで、ちゃんと前に進むことができるのだろうか心配だった。先頭を泳ぐフクザワさんの真似をしながら泳いでみるがフクザワさんのように早く進むことが出来ない。また岩をつかみながらへつるが流れに抵抗できず流されてしまい、後ろからきているタニグチさんにぶつかって迷惑をかけてしまった。う〜水に上手くのれない〜。
太陽の光が沢や木々にあたりキラキラしていてとても綺麗だった。そんな中をしばらく歩くと、大きくひらけて出谷出合に到着した(9時08分)。出合はちょうど陽射しがあたり日向になっていたのでびしょ濡れになっていた身体にはあたたかくて気持ちよかった。ここで15分ほど休憩をとった。
出谷出合からはまた淵が続き泳ぎの連続だった。乾いてしまった身体にはきつい。気合を入れ直してリーダーに続いて沢に飛び込む。だんだん泳ぎに慣れてきて仰向けになったり、後ろをむきながら写真を撮ったりと楽しみながら進む。4メートルほどの滝(10時半頃)がでてきて左岸から右岸に泳いで渡り滝の左側から登る。対岸へ渡る際に流れがきついためフクザワさんがザイルで引っ張ってくれた。
高山谷出合直前に大釜を持った5メートルの滝に(11時23分)。右岸から巻くことができるが左側から登ることにした。トップは空身で、セカンド以降は取付きまでザックを担いで泳いでいき、そこでトップに荷揚げをしてもらう。あとはボルダーだ。右手でガバアンダーを持ち、左手を上の方に伸ばすとガバがある。それをマッチして左足をあげて身体をもちあげる。この時にちょうど沢から身体をあげないといけないのでかなりの力がいる。あとはぬめっている岩を慎重に登れば突破できた。ここは荷物を背負いながらではかなり力が必要で苦しい。12時15分に全員の突破が終わり、休憩をとることにした。(12時半出発)10分ほどすると高山谷出合に到着。リーダーが言うには面白い沢の三大の一つが高山谷だという。ちなみに黒蔵谷もその一つらしい。高山谷へ行ってみたい!!
高山谷出合を過ぎると滝が現れ、左側から越えていく。そして巨岩が現れ右側からザイルを出して荷上げして登る。しばらく行くと地形図に載っているカンタロウ滝手前にある8メートルほどの滝に(14時13分)。近くまで滝を見に行き少し戻って右岸より巻いた。ルンゼを越えたあたりから下りるとカンタロウ滝の手前に着く(14時33分)。素晴しい滝である。しばらく滝を眺めて左側のルンゼをつめて右へトラバースしてカンタロウ滝の落ち口から20メートルほど上流の河原に懸垂で下りた。(8ミリ50メートルザイルを使用)トップが下りてる途中でザイルが岩角に擦れて表皮が向け中の白い芯が見えてるのに気づき、すぐにトップのフクザワさんに声をかけた。ちょうど河原に着いた時でザイルが切れなくてよかった。芯の見えた箇所はザイルの真ん中あたりだったのでそこを結んで使用し、もうひとつのザイルをバックアップにして降りることにした。そんなこんなで時間がかかってしまい、全員が河原に降りたら16時前だった。
先はゴルジュになっていて4メートルほどの滝が見える。夕方で寒くてもう水には浸かりたくなかった。右側から登ることに。トップは空身で途中一箇所ナッツをセットして登り、後は荷物を担いで登った。そして懸垂で沢へ下りた。まだ先には4、5メートルの滝があり、左側をへつって突破。しばらく歩くと左岸から枝沢が合流し、出合上流右岸の高台になっているところをテン場にした(17時)。当初予定にしていた石垣のテン場にはいけなかった。
ツェルトを張り、晩御飯の準備をした。焚き火で1日の疲れを癒し21時就寝。

7月30日

 5時に起床して7時出発。すぐに大釜をもつ斜瀑に、右側からへつって登ることにした。途中、枝で2回ランナーをとりトラバースしながら登る。足元はコケで滑りやすく、今回一番緊張した箇所だった。力よりもバランスが重要だった。
 しばらく行くと右岸からの枝沢があり(465メートル付近)、出合に当初テン場予定にしていた石垣があった。高台になっていて2張ほど張れるスペースがあり快適そうだった。しばらく進むと地形図に載っている黒蔵滝に(9時20分)。滝はしょぼい斜瀑で釜は小さかったが、昨日飛び込みをして遊んでる暇がなかったので少し飛びこんで遊んだ。リーダーにこんなしょぼいところで遊ばないと言われてしまった・・・。
 河原が続き平凡になってくる。500メートルで右岸からの枝沢を見送り520メートルで2股を右岸に進む(9時55分)。下部はゴーロで上部につめていくとガレ場になり落石に注意しながら740メートルまでつめた。そして11時に林道にでた。
 ここから車まで約15キロの林道を歩く。時間にして約4時間(休憩時間込み)。気力と忍耐だけで乗り越えなければと気合をいれて歩き出す(11時20分)。南紀の山々がとても綺麗に見えた。途中釣り師に会い、乗せていただけないかと声をかけるが上流へ行くということで敗退。そして3時間ほど歩き最後の休憩場所で再度ヒッチハイク。今度は成功!!和歌山の方で滝の写真を撮りに行った帰りだったみたいだ。お陰で駐車場に15時頃到着。感謝!!お風呂に入り、京都に22時半ごろ着いた。
 今回の沢は目的どおり水に戯れることができた。巻きは計4回、あとは全て登って突破することができて充実した遡行だった。また、前回の岩屋谷で教えていただいたとおりツェルトを初めて自分でたてた。今回は片方にしか木がなかったので、もう片方は岩と打ち込んだハーケンでザイルを固定した。自分なりに満足のいくできばえだった。最後の林道一番疲れた。次回南紀に行く機会があれば高山谷へ行ってみたい!!

 

黒蔵谷入渓点

 

鮎返滝

 

陽射しがあたり綺麗

 

泳ぎが続く

 

出谷出合

 

廊下

 

泳ぎ

 

高山谷手前の滝

 

高山谷を過ぎるとまた滝が

 

カンタロウ滝手前の滝

 

カンタロウ滝

 

テン場

 

焚き火に癒されて

 

朝一のへつりが終わると

 

平凡な遡行

 

林道に出た

 

南紀の山々

 

下山


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